大学4年の息子が弁護士を目指しており「法科大学院に入る」と言っています。妻は「応援したい」と言っていますがこれから合格までに生活費や学費でどのくらいかかるのでしょう?
法科大学院とは、弁護士・検察官・裁判官といった法曹に必要な学識や能力の養成を目的とする専門職大学院です。卒業することで司法試験の受験資格を取得できるため、将来的に法曹を志す人は避けて通れない道でしょう。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 しかし、実際に子どもが法科大学院に入りたいとなった場合、実際にどのくらいの費用がかかるのか具体的に理解していない人も多いのではないでしょうか。膨大な費用がかかるのであれば、何らかの対策はないか考えたい人もいるかもしれません。 そこで本記事では、法科大学院在学時にかかる費用はどのくらいなのか。奨学金や授業料の減免制度などを設けているのかについて解説します。
法科大学院在学時にかかる費用はどのくらい?
文部科学省の「令和4年度法科大学院関係状況調査」によると、法科大学院在学時に最低限かかる費用が授業料、入学金、設備費、諸経費などです。具体的な金額は国立や公立、私立によって図表1のように異なりますが、私立の場合は初年度経費で100万円を超える費用がかかります。 【図表1】
文部科学省「令和4年度法科大学院関係状況調査」より筆者作成 ■学費以外に生活費もかかる 授業料、入学金、設備費、諸経費といった費用以外に、生活費がかかることも想定しなければなりません。実際にどのくらいの生活費がかかるのかは自宅、学寮、アパート暮らしかで異なりますが、(独)日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査結果」では、大学院修士課程時の生活費を図表2のように伝えています。 【図表2】
(独)日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査結果」より筆者作成
各法科大学院が奨学金や授業料減免制度を設けている
各法科大学院にて、独自の給付型奨学金や学費の支援・免除といった制度を導入しています。法科大学院の学費などを工面できるか不安な場合は、入学を検討する法科大学院の奨学金や支援・免除の状況を確認してみるとよいでしょう。 日本学生支援機構奨学金では、経済的理由によって法科大学院への進学を断念しないように、無利子型奨学金や有利子奨学金の利用が可能です。 ●無利子奨学金:8万8000円 ●有利子奨学金:5万円、8万円、10万円、13万円、17万円、20万円から選択 ※授業料水準を考慮し月額4万円または7万円(年額48万円または84万円)の増額貸与が可能 ■法科大学院生専用ローンを利用するのも方法の一つ 法科大学院に入学、在学する大学院生本人を対象にした「法科大学院生専用ローン」の利用を検討してみてもよいでしょう。例えば、東京都内や関東地方の大学など、提携大学は定められていますが、最高600万円(年間200万円が限度)まで借り入れが可能という金融機関があります。 この金融機関では、原則として連帯保証人1名を必要としますが、司法修習終了までは利息だけの支払いとなり、約定返済の開始は司法修習終了後となります。