「子どもができたから路線を変えるとか、そういう発想はないです」ずっと珍獣ハンターでいたい、イモトアヤコのキャリア観
WEBマガジンのコンセプトは、「旅するように暮らす」。 「コロナ禍になり、旅に行けない喪失感がすごくて。旅がいかに自分にとって大切だったかを思い知りました。旅って、行く前にあれこれ想像してみたり、荷物を詰めたりしている時間も、すごくワクワクしませんか? 目的地の前に立ち寄るサービスエリアもいいですよね。旅だけじゃなくて、例えば友達とご飯を食べに行く約束をしたら、何を着ていこうかなって選んでいるときなんかもそう。何かいいことがある、そのちょっと前の、『いいことがありそうな予感』が、私にとっては一番楽しい瞬間なんです。コロナ禍になって、なかなか外へも出られないなか、気晴らしに覗いてくれたら、日常でもちょっと旅の気分を味わってもらえるようなWEBマガジンにしたいと思ったんです」 思い立ったらすぐ行動するのがイモト。事務所に掛け合って企画を通し、社内のデジタル部署とweb制作会社でチームを作った。発案から一年足らずで、WEBマガジン『よかん日和』の編集長として連載をスタートさせた。
人を巻き込む力のようなものが、とても必要
現在は自ら書くコラムが中心で、日常で見つけるささやかな喜びを、文章と動画で紹介している。ゆくゆくは、対談や寄稿記事なども増やして読み物を充実させ、オリジナルアイテムの開発、タイアップなどの企画も広げて行きたいと語る。 「私は単純だから、キッチンのタワシを一個新しいものに替えるだけで、なんかワクワクするんですよね。新しいアイテムが日常に加わるだけで、人生って、フワッと軽くなるな、と感じていて。だからこの『よかん日和』で、モノ作りもそうですし、私が気に入っているアイテムや、世の中に紹介したい人物、丁寧な暮らしに役立つコツなんかを、いろいろ皆さんとシェアできたらいいなあと思っているんです。また、皆さんからの意見を元に商品開発をしたいとも考えていて、オンラインミーティングを催すこともあります」 このほど、念願がかない『よかん日和』が開発する商品の第1弾として、コーヒー好きなイモトが惚れ込んだ奈良県にあるコーヒー豆の専門店とオリジナル豆を作った。 「奈良へ行って、お店の方といろんなコーヒーの試飲を重ね2種類決めました。一つはネパールとニカラグアのブレンド。いつでもホッとできる、マイルドな味です。もう一つは、イエメンとニカラグアのブレンドで、ちょっとびっくりするような味。旅先でもコーヒーは私にとって大切なものでした。日常でもこのコーヒーで、ぜひ旅気分を味わってほしいですね。鮮度が保てる少量限定販売だったため、ありがたいことにすぐに完売しましたが、また是非やりたいです」 それまでは頂いた仕事を精一杯やるということが多かったですが、「よかん日和」では、自分で考え、決断し、0から1を作るという作業を初めて体験しているというイモト。 「人を巻き込む力のようなものが、とても必要なんだな、と思いました。まずは自分がやりたいことを、誰かに『いいね』って思ってもらうところから。そうじゃなければ、動いてもらえないので。大変ですけど、やりがいはあります。文章を書くことで、自分と向き合う時間が増えて、アンテナも広げることもできるようになったと思います。子育てと同時に、『よかん日和』も育てているという感じですね」