久保建英が入団会見でビジャレアル移籍を「最高の選択肢だった」と語った真意とは?
かつてセビージャでヨーロッパリーグ3連覇を達成した、48歳のスペイン人指揮官から直々に届いたラブコールが決断への決め手になった、と指摘するスペイン紙の報道を「そこのところはちょっと内緒で」と久保ははぐらかした。もっとも、こんな言葉をつけ加えることも忘れなかった。 「DFとGK以外なら、どこのポジションでもプレーする心構えがあります。監督とは昨日にチームのことなどを話しましたが、監督もまだチームに来て日が浅いと思いますし、そのあたりは『お互いに知っていこう』と非常にフレンドリーな会話もしてくれました。今日も来ていた選手たちとはだいたい話ができていますし、思ったよりも早く馴染めそうかな、と」 メディカルチェックと契約書へのサインが行われた前日10日に、すでにエメリ監督とも話し合いの場をもっていた。チームへ溶け込んでいく上で言葉の壁が存在しないのも、独ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘン、仏リーグアンのパリ・サンジェルマンなど国外の強豪や名門からオファーが届いたなかで、引き続きラ・リーガ1部のビジャレアルを新天地に選んだ理由のひとつとなる。 新指揮官が掲げるシステムとして、スペイン紙は[4-2-3-1]や[4-4-2]をあげている。マジョルカで爪痕を残した右サイドに加えて、アル・サッド(カタール)に移籍したレジェンド、35歳のサンティ・カソルラが担ったトップ下や左サイドも久保が挑んでいくポジションとなる。 だからこそ久保自身も「どこのポジションでも――」と言及したが、もちろん無条件でレギュラーが約束されているわけではない。右サイドには爆発的な縦へのスピードから利き足の左足で一気にフィニッシュにもっていく21歳、ナイジェリア代表のサムエル・チュクウェゼが君臨している。 カソルラと引退したキャプテンのブルーノ・ソリアーノが抜けた中盤には、バレンシアでキャプテンを務めたダニエル・パレホ、コンビを組んでいたフランシス・コクランの加入が決定的となっている。エメリ新体制における移籍第1号となった久保への期待の大きさは伝わってくるが、ヨーロッパリーグにも挑む新シーズンへ向けて、ビジャレアルの補強はもちろん一人では終わらない。 「素晴らしいチームには常に競争が存在しますし、よりよいプレーをするためには、その競争を楽しむ必要があります。この後にどのような選手が来るのかはわからないですけど、いまここにいる選手たちのことはわかっています。全員がトップレベルであり、能力の高い選手たちと競い合うことでたくさんのものを得ながら、昨シーズンとは違ったところでまた成長できれば。例えば攻撃面などでも成長はしていると思いますけど、より磨きをかけてチームに貢献していきたい」