久保建英が入団会見でビジャレアル移籍を「最高の選択肢だった」と語った真意とは?
マジョルカのホームで対峙した昨年11月の第13節は3-1で快勝し、久保もラ・リーガ初ゴールを決めた。一転してビジャレアルのホームに乗り込んだ6月の第29節は0-1のスコア以上の完敗を喫し、久保も主力に定着してからは最短となる60分間の出場でベンチへと下がっている。おそらくは後者で、ビジャレアルの戦い方から感銘に近いインパクトを受けたのだろう。 1923年に創設されたビジャレアルはボールポゼッションを前面に押し出し、2000年以降で顕著な成功を収めてきた。UEFAチャンピオンズリーグに初出場した2005-06シーズンはベスト4に進出して旋風を巻き起こし、ラ・リーガ1部でも2007-08シーズンに2位へ躍進した。 その後は2部に降格するも、1年で1部に復帰した2013-14シーズン以降で7位以下に終わったのは一度だけ。昨シーズンも5位に入り、新シーズンのUEFAヨーロッパリーグ出場権も獲得しているビジャレアルで待つ新たな挑戦を、久保は「かなりのビッグクラブでのプレー」と位置づける。 「やっぱり上を目指しているチームなので、あまり大きなことは言いたくないですけど、できるだけ上の順位でフィニッシュして、なおかつヨーロッパリーグでもしっかり結果を残せたらいいな、と」 昇格組で戦力的にも劣っていたマジョルカでは、必然的にチーム全体で守備を重視する戦い方を強いられた。ポジショニングを含めた守備の基本を実戦のなかで学べたことは収穫だったが、久保がストロングポイントと自負している攻撃力を、自由自在にフル稼働させられる環境ではなかった。 だからこそ、ビジャレアルで待つ挑戦を、久保は「どうなっていくのかが楽しみです」と笑顔で受け止める。そして、降格圏にあえいだマジョルカで「違い」を作り、特に後半戦では中盤の右サイドを主戦場として存在感を放った姿に、就任したばかりのビジャレアルのウナイ・エメリ監督も魅せられた。1年だけの在籍でもいいので、戦力として迎え入れたいとフロントへ直訴した。