私たちが飲む水道水は大丈夫?発がん性が指摘される「PFAS」 専門家に聞く人体への影響や対策、検査義務化で水道料金は上がる?
水質検査の義務化で水道料金が値上げ・・・?
環境省と国交省が全国の水道事業者にPFOS・PFOAの調査を行ったところ、学校・病院などで使われる「専用水道」で44件が目標値を超えていました。また、福岡県の自衛隊基地では目標値の30倍の量が検出。こうしたことから、「水道水」の水質検査の義務化が以下の内容で検討されています(早ければ2026年4月から)。 ●検査回数は3か月に1回 ●基準値を超えれば改善が義務 ●従わなければ給水停止命令も では、水質検査の義務化で水道代は上がるのでしょうか。実際に沖縄の嘉手納・普天間周辺などで高濃度の「PFOS」「PFOA」が検出され、今後3年間で水道料金3割値上げし、そのうちの11%が活性炭素装置という特殊な装置などの「PFOS」「PFOA」の対策費に充てられるということです。今後の水質検査の義務化で他の都道府県でも対策費用で水道料金が上がる可能性が指摘されています。
専門家「汚染除去だけなく原因の特定を」 除去には“活性炭”が有効か
今後の課題と私たちがができることを京都大学の原田浩二准教授に聞きました。 まず、「PFAS」基準値は2024年4月に決定したアメリカが厳しく「PFOS」「PFOA」はそれぞれ1Lあたり4ナノグラム。 ドイツは2028年から「PFOS」「PFOA」などの合計が1Lあたり20ナノグラム。 現在、日本は暫定目標値として「PFOS」「PFOA」の合計が1Lあたり50ナノグラムということで欧米と比べると、日本の目標値はちょっと緩いという印象です。 原田浩二准教授によりますと、汚染の除去だけでなく汚染原因の特定も必要で、暫定目標値「1Lあたり50ナノグラム」が妥当かを今後検討が必要だとしています。 「PFOS」「PFOA」私たちが対策できることは何でしょうか?これらは煮沸消毒しても除去できないといいます。一方で、活性炭を用いると7~8割除去できるため、対策としては効果がありそうです。日本中どこでも検出されているわけではないので、気になる方は住む街の水道局のHPや窓口で確認してみてはいかがでしょうか。