内田恭子〈マインドフルネス〉でネガティブ思考はなくならない!? 良い悪いという評価をせず、〈どちらでもない〉があるということを学ぶ
では、それをネガティブな思考のことに戻します。 人間というのは、脳にもともと〈ネガティブバイアス〉というものがかかっているので、不安事とか心配事などに思考がいきやすくなっています。 リスク回避のために、人間の脳はわざとそういうふうに、危機感などネガティブな方向になる働きがあるのです。 ですから、ネガティブな思考ばかり浮かんできてしまうという方も、それを気になさらないでください。もともと脳の働きが、そういうふうになっているだけなのです。 でも、じゃあどうしてネガティブな思考ばかりに気持ちがいってしまうのかというと、そのことに気づくことなく、どんどんどんどん、ネガティブな思考のループに流されていってしまうというところが問題なんだと思います。 そこで、そんな流されている自分に気づいてあげるというのが、マインドフルネスなんです。
あ、今また私はネガティブなことを考えていたな、ということに気づいてあげる。これって簡単なようで、実は難しいことです。 人間って、思考に流されているときに、なかなかそのことを客観的に見ることができないのです。 そこで、瞑想やマインドフルネスのエクササイズを通して、流されてしまっている自分に気づいてあげる、ということをやっていきます。 そうすることで、ネガティブに流されていた思考を手放していく。ネガティブな思考をただの思考だなと、見送っていく、という経験を積んでいきます。 そうして、ポジティブにもネガティブにもなりすぎない、ちょうど真ん中のところに自分を引き戻してあげることができるようになります。 人間って、何でも偏りすぎっていうのがダメなんですよね。 ですから、ネガティブはもちろんなんですが、ポジティブだけでもダメというのが、マインドフルネスの考え方です。その中央、バランスをとってあげる。 どちらかに偏っていたら少し戻してあげて、反対の方向に偏っていたらまたそれも引き戻してあげて、そういうふうにしてフラットな状態でいるというのが、マインドフルネスの考え方です。