【図解】新型コロナ「第6波」とは? 「第1波」から振り返る
●「第4波」と「まん延防止等重点措置」初適用(2021年3月~4月ごろ)
第4波は、3月下旬から大阪府や兵庫県で急激に感染者が増え始めました。政府はここで新しいコロナ対策を打ち出します。「まん延防止等重点措置」です。昨年2月の特措法改正で緊急事態宣言の罰則規定とともに設けられた措置で、宣言に至らないように予防的・集中的な対策を取ることが狙いです。4月5日から大阪、兵庫、宮城の3府県に初めて適用されました。 この頃の大阪府は、予定していた手術に優先順位をつけるなど「一般診療に影響が出るレベル」の医療危機に陥りました。
●3回目の「宣言」と「アルファ株」(2021年4月~6月ごろ)
第4波が関西で急激に広がった大きな要因は「変異ウイルス」です。この頃の感染の主体は、英国で見つかった変異ウイルス(アルファ株)で、従来型ウイルスよりも感染力が強いとされました。関西では、従来株からこのアルファ株への置き換わりが急速に進行したのです。 第4波では、大阪の感染者数が東京を上回っていたことも特徴です。大阪府では4月28日と5月1日に1260人を記録し、過去最多を更新しました。 政府は4月25日から、3回目となる緊急事態宣言を東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発出しました。 ゴールデンウイークを見据えたこの宣言は、飲食店での酒類提供を禁じるなど前回よりも強い措置が盛り込まれました。飲食店には午後8時までの時短営業を求めたほか、酒類やカラオケを提供する飲食店には休業を要請しました。さらに大型商業施設にも休業を要請し、大規模イベントは原則無観客で行うことを主催者に求めました。
●「第5波」と4回目の「宣言」(2021年7月~9月ごろ)
3回目の宣言が解除された東京都は、6月21日からまん延防止等重点措置に切り替えられました。飲食店に午後8時までの時短営業を要請し、酒類提供については一定の要件を満たした店のみ午後7時まで認められることになりました。 しかし東京の新規陽性者は500人前後の高止まり状態で、7月に入るとじわじわと増加に転じ、再び1000人に迫るようになりました。 この「第5波」を受けて、政府は7月12日から東京都に4回目となる緊急事態宣言を出しました。打ち出された対策は、3回目の宣言の後半の内容を踏襲したものでした。酒類やカラオケを提供する飲食店には再び休業要請がなされたほか、それ以外の飲食店や大型商業施設には午後8時までの時短営業が求められました。大規模イベントは引き続き、上限5000人かつ収容率50%以下での開催要請が維持されました。 しかし、東京の感染は収まるどころか急激に悪化していきました。7月28日には3234人と初の3000人台に、さらに8月5日には5149人と初の5000人超えとなり、8月13日には5908人と過去最多を更新しました。全国でも8月13日に初めて2万人を超えると、8月20日には2万5995人と過去最多を更新しました。 コロナの影響で1年延期されていた東京五輪(7月23日~8月8日)は、緊急事態宣言のさなかでの「異例の開催」(菅義偉首相)となりました。