松山英樹 国内米ツアーの新規開催で〝LIV移籍〟は完全封印か
〝移籍〟は完全封印か――。男子ゴルフの松山英樹(32=LEXUS)が11日、都内で行われた国内の米ツアー新規大会「ベイカレント・クラシック」の開催発表会に出席した。今季で「ZOZOチャンピオンシップ」の6年契約が終了。来年も国内で米ツアーが行われるか心配していたマスターズ王者にとっても、この上ない朗報となった。一方で、新規大会の開催で思わぬ副産物が生まれるとの指摘も飛び出している。 2019年から続く日本での世界最高峰ツアーが、来年も見られることになった。今回から、新たにコンサルティング大手の株式会社ベイカレントが冠スポンサーとなり、神奈川・横浜CCで開催。国内ツアー組の枠も含めた78人が予選カットなしで優勝を争い、秋季シリーズの1試合となる。開催日時や賞金総額は後日発表される。 松山は「来年以降、どうなるのかなと正直心配していたところで、ベイカレントさんに手を挙げていただいて。これからゴルフを頑張っていこうとしているジュニアの子たちにも、すごく影響がある大会だと思うし、そこで僕は、もう1回勝ちたい気持ちも強い」。21年の「ZOZO」に続く勝利を目指す構えだ。 神奈川の名門・横浜CCのラウンド経験もあり、早くも攻略に思いを巡らせた。「20アンダーくらいはいくと思う。そこはPGAツアーのレベルの高さ。その中で日本人選手の代表として、ぜひ勝てるように頑張りたい」 国内で米ツアーが開催されなければ、来年は松山が日本でプレーしない懸念もあったが、国内ゴルフファンにはうれしい決定。ケガなどラウンドできない状態でなければ、必ず新規大会に参戦することになる。米ツアー事情に詳しいツアー関係者によると、それは21年にスタートしたサウジアラビア系資本が支援する超高額賞金ツアー「LIVゴルフ」へ移る可能性が、ほぼゼロになったことを意味するという。 同関係者は「松山選手は、日本で行う米ツアーに出場することに意義を感じている。この状況で移籍ということは考えられないでしょう」と指摘。かねてLIV側は、アジアナンバーワン選手である松山をターゲットにしてきた。22年夏には、500億円超の契約金で勧誘していると報じられたこともあった。 同年の「ZOZO」に出場したときには「僕はPGAツアー(米ツアー)の目標がある。そこを達成できるように頑張りたい」と語っていたものの、その後もLIV側の関心は継続。今年に入っても、グレッグ・ノーマンCEOが、松山がターゲットだと明言していた。 今後も勧誘攻勢が続いても不思議はないが、今回の新規大会がLIV側と松山を〝分断〟する決定打となりそうだ。
森下久