新築に続き2024年11月から中古住宅版の「省エネ部位ラベル」始まる。各不動産ポータルサイトも続々表示対応
まず大きく、「窓」と「給湯器」の欄がある。このラベルを発行するには、どちらかの省エネ改修(断熱性能の高い窓か高効率の給湯器に改修)をしていることが必須条件となる(画像中A)。住宅の窓からの熱の出入りが大きいこと、給湯器は家庭で使うエネルギー消費量が大きいことが、その理由だろう。 さらに「窓」の場合は、住宅の一部分の窓だけ改修することも可能だが、「リビング・ダイニング」の窓の省エネ改修を行っていることが必須条件となる。その他の居室でも、リビング・ダイニングと同様の省エネ改修を行っている場合にはチェックが付く。 必須条件を満たしたうえで、その下の欄にある「外壁」「玄関ドア」「節湯水栓」「高断熱浴槽」「空調設備」「太陽光発電」「太陽熱利用」などで一定水準以上の商品を使っていれば、チェックが付くということになる(画像中B)。なお、外壁と空調設備は、リビング・ダイニングの外壁やエアコンが対象で、節湯水栓はキッチン、洗面所、浴室シャワーのいずれか1つ以上が対象となる。 また、省エネ改修や設備機器の交換は、同時期にしているとは限らないので、任意ではあるが、それぞれの改修・交換工事の時期を記載する形になっている。 では、誰が省エネ性能を評価するのか。物件の売主や貸主などが行う「自己評価」となる。しかし、売主や貸主が個人の場合は、売買を依頼した仲介事業者や賃貸管理を依頼した賃貸管理事業者などが代わって行うことになるだろう。また、特定の講習を受けた専門家が評価する方法もあり、その場合はその旨を記載できる(画像中D)。 評価の方法としては、省エネ性能が分かる資料(改修時の設計図や製品の取扱説明書など)を確認するか、実際に現地を訪れて現況を確認したり製品ラベルを確認したりして評価することになる。その情報を「住宅性能評価・表示協会」のサイトに入力することで、ラベルが発行される仕組みだ。 ただし、故意に異なる内容を表示したり、故障して使えない設備機器まで表示したりなど、不当な表示をした場合は、国から勧告などを受けることになる。 ちなみに、既存住宅で大規模なリノベーション工事を行った場合は、「住宅性能ラベル」を取得することができるが、「住宅性能ラベル」と「省エネ部位ラベル」を両方表示することはできない。また、制度が始まった2024年4月以降に「住宅性能ラベル」が発行された新築住宅は、既存住宅として改修を行った場合には「住宅性能ラベル」を再発行する必要があり、「省エネ部位ラベル」を使うことはできない。