ダウン症のある娘がハワイ留学で実感、障がいの有無に関係なく誰にでも「選択肢」がある社会
どんな人でも参加できるのが当たり前の社会
そして、ここでも驚きがありました。実は、アクティビティに申し込んだ際、「必要な人は以下の書類に記入して提出してください」と「インクルージョンサービス・リクエストフォーム」という用紙が自動受付メールに添付して送られて来ました。 用紙には、身体的な介助や、手話、言語通訳など、必要なサービス項目があってチェックできるようになっています。他にも、車椅子などのモビリティの利用の有無、具体的にどのような動作ができるのか、できないのか、また、コニュニケーションについても、英語がどの程度、理解できるのか段階に応じてチェックする欄がありました。さらには、必要に応じて、通っている学校の先生にコンタクトを取っても良いかどうかの承諾書もあり、学校との連携まで示唆されていました。 つまりは、地域の公園で行われる無料アクティビティですら、障がいのある子どもも参加することが前提となっているということを意味しています。 これまで日本では、何か機会がある度に、「娘にはダウン症があるけれど、申し込んでも良いのかな? 受け入れてもらえるのかな?」と気にして悩んでいた私にとってはかなりの驚きでした。そして、事前のこうしたケアによって、娘が参加することに何の躊躇いもなく、安心して初日を迎えられたのは、本当にうれしい出来事でした。 週末に通い始めたダンス教室は、ワイキキ中心部から車で1時間ほどかかる少し離れた場所にあるのですが、ここに通い始めたのには理由がありました。それは、ハワイで(おそらく)唯一、スペシャルニーズ(特別な支援が必要な人)のためのクラスがあったからです。現在、20代から40代までの障がいのある人たちがこの教室に何年も継続して通っていて、先生の他に、アシスタントとして、別のクラスに通う現役の生徒たちも一緒に入って踊っています。 娘は最年少で、しかも久々の新入りでした。クラスのみなさんもとても親切に迎えてくださったお陰で、娘もあっという間に溶け込んで楽しく通えています。障がいの特性や、肌の色、年齢もバックグラウンドもそれぞれ違う、まさにダイバーシティ(多様性)そのものを体現したようなクラスです。