消化器専門医「便を観察すれば、誰でも腸内フローラの状態を知ることができる!頻度・ニオイ・硬さで今すぐ腸年齢をチェック」
腸内環境をより良い状態にするため、食事に気をつけたり、運動をしたりする活動を指す「腸活」。近年ではブームにもなっていますが、腸内細菌を長年研究してきた消化器専門医の内藤裕二先生によると、人の腸内細菌のかたまりである「腸内フローラ」がそのカギとなるそうです。「腸内環境が改善されれば、腸内細菌が関わっていると考えられる病気を予防できる可能性がある」と話す内藤先生が教える、簡単に腸内フローラの状態を知ることができる方法とは――。 【表】チェックリストで確認!あなたの腸年齢は * * * * * * * ◆便は腸内フローラの共通言語 腸活を始めるにあたって、今の自分の腸内フローラが健康的なのか、そうでないのかを知りたくはありませんか? 腸内フローラを詳しく知るには、腸内フローラ検査サービスを受けるのが一番ですが、少しハードルが高いと思う人もいるでしょう。 実は誰でも簡単に自分の腸内フローラの状態を、ある程度知ることができる方法があります。 それは自分の便をじっくり観察すること。腸内細菌の研究はいろんな人の便を採取して調べることから始まります。これは昔も今も変わりません。 昔から便の色や形を見て、腸内フローラが健康的かどうかを観察する方法が世界中で行われてきましたが、この評価方法は世界共通。腸内フローラを調べるための共通言語といってよいかもしれません。 まず定期的な排便があるかどうか。次に便のニオイがきついかきつくないか。そして便が硬いかやわらかいかも重要です。つまり「頻度」「ニオイ」「硬さ」の3つがチェックポイントです。
◆「頻度」「ニオイ」 1つ目は頻度です。毎日お通じがなければ便秘と思っている人がいるかもしれませんが、週に3回以上、定期的にお通じがあるなら腸内環境は良好といえます。 5155名を対象にしたアンケート調査によると、日本人の排便頻度は、1週間に8回以上が25.0%、3~7回が66.6%、0~2回が8.4%という結果が出ています。 ただし定期的なお通じがあっても、強くいきまないと便が出なかったり、排便後も便が残っている感じがしたりするときは、腸内フローラに何らかの問題がある可能性があります。 2つ目はニオイです。健康的な腸内フローラであれば、便のニオイはそれほどくさくありません。しかし動物性のたんぱく質や脂質を多く摂っている人の便はニオイがくさくなります。 これは動物性たんぱく質・脂質をエサにする腸内細菌が増えているからです。これらの腸内細菌はアンモニアや硫化水素など、さまざまな腐敗物質をつくり出します。 これがくさいニオイの正体です。ニオイをつくり出す腸内細菌が増えてくると、オナラのニオイもくさくなります。 硫化水素は大腸がんとの関わりも指摘されていますが、ゆで卵や温泉のようなニオイがします。
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