連続テレビ小説「おむすび」脚本家・根本ノンジ「橋本環奈さんならもっと面白いシーンを…」
連続テレビ小説「おむすび」は、食と人情の街、福岡・神戸・大阪を舞台に、日本の朝に元気と笑顔を届けるオリジナル作品である“朝ドラ”第111作。平成時代のギャル・米田結(橋本環奈)が人々の健康を支える栄養士となり、現代人が抱える問題を、食の知識とコミュニケーション能力で解決しながら、目には見えない大切なものを次々と結んでいく“平成青春グラフィティ”だ。今回は、脚本家の根本ノンジ氏にインタビューを敢行した。 ――橋本さんが演じる結はいかがですか? 「結を見事に演じてくださっていますよね。面白いセリフや面白い場面がたくさんあるのですが、コメディエンヌ具合が素晴らしいです。今回、初めてお仕事させていただいたのですが、キャラ立ちをさせるのがすごく上手で、コメディーの感覚が優れているなと前々から思っていたので。突っ込みなども、トーンと間が完璧なんです。第1週の本読みに同席させていただいた時に、橋本さんならもっともっと面白いシーンを入れても大丈夫だなと思ったので、笑いの部分のシーンがどんどん増えていっています」
――ギャルの物語を描く面白さ、挑戦だなと感じていることがあれば伺いたいです。 「今の令和ギャルは世間に結構受け入れられてると思うのですが、平成の頃のギャルはそうではない側面もあったわけです。もちろん今われわれが描いてるギャルはすごくクリーンでいい子たちなのですが、悪いイメージを持たれる可能性もあるなと。ただ、それを超えるパワフルな力強さが彼女たちにはあると思っています。失われた30年といわれている平成の時代を、肩で風を切ってさっそうと歩いていた彼女たちの物語をきちんと描いた方が新しい朝になるんじゃないかな、と思ってあえての挑戦です」 ――結の時代はギャル全盛期ではなく、少し衰退し始めている時代だそうですが、そういう時代を描く狙いを教えてください。 「ちょっと下火になっても続けている子たちが今に通じるなと思ったので、あえて下火になりかけているところから始めようと思いました」 ――当時は、ギャルに対してどんな印象でしたか? 「自分がまだ20代とかの頃は、街でたむろっていて怖いと思っていましたね。ギャルの人たちと接することもなかったので、ビクビクしていた記憶があります」 ――ギャルは見た目だけでなく、マインドが大事だと橋本さんもおっしゃっていましたが、ギャルマインドを描く上で意識されていたことは何ですか? 「セリフ回しと、主人公の悩みからの立ち直り方かな。結がもっとギャルになってからの話ですが、割ときちんと立ち向かえるようになっていくというか。格好ではなく、生き方や悩みへの向き合い方がギャルらしくなっていくさまを表現しています。特に、大人になってからは服装も学生の頃ほどギャルっぽくなくなるのですが、お仕事の中での“気持ちさえあればなんとかなるでしょう!”というような前向きさや周りを明るくするパワー、そういう部分をギャルマインドとして表現しています」