「パチンコ卒業してクレーンゲームだと!」夫がクレーンゲームに2万円も使うのですが、あり得ないですよね?
ギャンブル依存症には治療が必要であることなどもようやく知られるようになってきたが、身近なところで依存症的にやめられず悩んでいる人が意外と多い遊びに「クレーンゲーム」がある。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、クレーンゲーム沼の恐ろしさについてこう語る。 「景品が取り口に落ちた時の『ゴトン』という音を聞くまでやめられなくなることから、クレーンゲーム依存に陥ることを『ゴトン病』などと呼んだりします。 ゴトン病傾向が強い人は、上限金額や制限時間を決めておいてもなかなか守ることができず、脱するのが困難とされます。その景品が欲しいのではなく、景品を取ることそのものが目的になっている人は要注意ですね」 家族のギャンブルに関する悩みなどについて取材を試みたところ、結婚する際に趣味だったギャンブルをやめたはずの夫が、最近になってクレーンゲームにどハマりして悩んでいる、という女性から話を聞くことができた。 「プロポーズされたとき、交際中はなかなか言えなかった『ギャンブルをやめてほしい』という思いを初めて口にしました。 彼が苦しみながらも好きだった『パチンコ』をやめてくれたことで、晴れて結婚しました。それから7年ほど経ち、今や一児の父です」 こう話すのは、夫とともに5歳の男児を育てる38歳の会社員・杉山恵子さん(仮名)。 「夫は学生のうちからギャンブルを始めたとかで歴が長かったのですが、何とかやめてもらいました。親もギャンブル好きと酒乱だけは連れてくるなと厳しく言っていたので…。 傍から見たら行かなければ良いだけだと思うのですが、やめるのはとても大変だったようです」 しかし恵子さんは、結婚後も依存性のあるものに惹かれがちな夫に危うさを感じていたと話す。
「宝くじやスポーツくじというのでしょうか。一時期ああいうものにもハマっていました。 私が妊娠中のことです。うちの両親と食事をしている時、母が『最近やたらと2のゾロ目ばかり見るから、宝くじでも買うと良いかも』などと冗談を言ったことがあったのですが…」 その話を聞いた夫は、ちょうど誕生日が近かった恵子さんの母に数字を選んで買うタイプの宝くじをプレゼントしたという。 「私はその時母に服か何かを買ってあげたんですが、夫が『これは俺からだから一緒に渡してよ、ドキドキがあっていいだろ?』と言って」 義母のために買ったそのくじは大外れしたものの、実はこの時に夫は「運試し」で自分用にもくじを買っていたのだそうだ。 そして、そこから転がり落ちるように数字を選んで買うくじがやめられなくなってしまった。 「夫の口から再び『負けた分を取り返したくなる』というギャンブルが好きだった頃に聞いたことのあるセリフを聞いた時はゾッとしました」 一度でも買いそびれると、万が一自分が買っている数字パターンが抽選会で出た時にあまりに悔しい、と夫は言った。 買いそびれたときに自分の数字が当たる可能性を考えると悔しくてやめられないという夫。 ひと口200円をたった2口、週に2回買ってるだけじゃないかと唇を尖らせる夫に対し、恵子さんは危機感を隠さなかった。 「私は恐ろしくなりました。もし夫の言うとおりであれば、月に使う金額は確かに3000円ちょっとです。小遣いの範囲内で遊ぶくらいで目くじら立てるなんて、と思われるかもしれません。 でも、私は昔の彼を知っているので、早めに手を打ったんです」