「パチンコ卒業してクレーンゲームだと!」夫がクレーンゲームに2万円も使うのですが、あり得ないですよね?
妊娠中だった恵子さんは、もうすぐ生まれてくる子供の良いお父さんになってほしいから、依存的な行動はやめてほしいと懇願した。 「夫は不服そうでした。病人みたいに言うなよ、とむくれていましたね。でも、小声で『まあ、昔の俺は病気みたいなもんだったけどな』と呟いたので、自覚があるんですよね、きっと」 「夫はそこからはギャンブルにも宝くじにも近寄らなかったようです。会社で昇進があって忙しかったのも良かったのかなと思います。 やらない期間が長くなってきたので、このまま行ってほしいと心から祈ってました」 宝くじに溺れつつあった夫をすんでの所で救った恵子さん。ところが、次に夫のハートに火をつけてしまったのが「クレーンゲーム」だったのである。
「息子が5歳になる少し前、初めて家族でショッピングモールの中のゲームセンターに行ったんです。息子は乗り物に乗ったり、ちょっとしたゲームで夫と対戦したりするなどして楽しみました。 それで、帰り際にクレーンゲームのケースに好きなキャラクターのマスコットを見つけて、あれが欲しいとせがんだんです」 ドツボにハマっていく夫の深刻な症状については、後編で詳報する。 取材・文 中小林亜紀