出生体重4980g。生まれる途中で肩がひっかかり、右腕の神経が切れるトラブルに。すべてを受け入れることは一生難しい【体験談】
幼少時は右手がまひしているのが自然な状態だった
――大変なお産だったと思います。SUZUさんの右腕はどんな状態だったのでしょうか? SUZU 現在も変わらないのですが、右手は肩から指先までまひが残っています。触れられてもわからないし、痛みも感じません。手を上げるのも難しいです。腕の内側だけ神経がわずかにつながっていて、少しだけ感覚があります。 生まれてからは腕以外は元気に成長していきました。出生時の体重は4980gでしたが、1カ月健診のときは5200gくらいで、1歳ごろには平均体重くらいになっていました。出生時、すごく大きかったから、そのまま成長していくだろうと思われていましたが、生まれてからはそれほどでもなく、平均的な体重におさまりました。 ――SUZUさん自身が、右手のまひを自覚したのはいつごろでしょうか? SUZU 幼稚園のころまではまったく気づきませんでした。私にとっては右手が使えないのが普通だったから、全部左手を使っていました。跳び箱も6段くらいを片手で飛んでいたし、友だちとキャッチボールをするときも、グローブをした左手でボールを取って、グローブをはずして左手で投げていました。ラジオ体操でも右手をあげられなかったですが、私にとってはごく当たり前のことでした。ほかの人と違うことにまったく気づかなかったんです。 ――文字や絵を書くのも左手でしたか? SUZU 最初は左手でしたが、母が「絶対ペンだけは右手を使わせる」と言って、右手で練習させられました。母としては、少しでもリハビリになればいいと思っていたようです。腕の内側の神経が少し残っていたことで右手で筆記用具を持つことはできました。 4歳くらいのころから絵を描き始めましたが、自然とペンを左手で持ってしまいます。そのたびに母から「右手を使いなさい」と直されました。黒板やホワイトボードに書くときは右手があがらないので左手を使いましたし、はさみやお箸も左手を使っていました。