なぜ関越道は首都高と「直接」つながらない? 幻の「10号練馬線」の構想に夢を見る。
関越道と首都高はなぜ「直接」接続されていないのか。首都圏屈指の渋滞ポイントとなっているここに、実は、首都高の中央環状線と関越道の練馬ICを接続する「首都高速10号練馬線」という幻の道路の構想が存在している。一体どんなものなのか、そしてなぜできないのか。 【図】え、幻の高速10号練馬線ってどこ? 路線図を確認!
関越道と首都高が「直接」つながってない理由
東名高速は3号渋谷線と、中央道は4号新宿線と、東北道は川口線と、常磐道は6号三郷線というように、関東の主要な高速道路は首都高と「直接」接続している。ただし、関越道を除いては……。 首都高から関越道に向かうには、いったん一般道を経由して練馬ICから入るか、外環道の大泉JCTから合流するしか方法がない。しかも、付近の一般道である環七や環八、目白通りは混雑しやすく、首都高から外環道を経由して向かうのも遠回りなうえ通行料金もかさむ。 もし、関越道が首都高3号渋谷線と接続する東名高速のように、首都高とダイレクトにつながっていれば、わざわざ一般道を走ったり、遠回りしたりしなくてもスムーズに行き来できるはずなのに。首都圏の高速道路を利用するドライバーなら一度ならず、二度、三度は思ったのではないだろうか。 そんな誰もが「あればいいのに」と思うこの道路、実は構想自体は存在している。それが「首都高速10号練馬線」だ。
幻の「高速10号練馬線」の構想
関越道と首都高を結ぶ高速10号練馬線の構想で考えられているのは、中央環状線の池袋付近と関越道の練馬ICを接続するというルートだ。首都高側の接続箇所は、中央環状線の西池袋出入口の南、位置としては中央環状線と目白通りの交点付近。関越道側の接続箇所は練馬IC付近となっている。東京都の「都市づくりのグランドデザイン(2017年)」の資料でも、高速道路ネットワークの「検討路線」として明記されている。 時間を遡ると、高度経済成長期の延伸計画図にも「10号線」の計画を確認できる。当初は、5号池袋線の途中(早稲田あたり)で分岐し、中央環状線と接続し、さらに関越道の練馬ICと接続する構想だったというのだ。 ここで、現在の早稲田出口を見てみたい。江戸川橋のあたりで本線と分岐。そのまま神田川上を高架で遡上して鶴巻町の交差点に流入するつくりとなっている。実際に早稲田出口で下りてみればわかるが、出口にしてはやたら長い。当初、計画された高速10号練馬線の分岐点としてつくられた……ともいわれている。