なぜ関越道は首都高と「直接」つながらない? 幻の「10号練馬線」の構想に夢を見る。
首都高と関越道は接続されるのか
高速10号練馬線は検討路線となっているものの、現状は「棚上げ」されており、事業の進展はみられていない。事実上の凍結といえるだろう。首都高も、都市計画などの諸手続は行われていないとしたうえで、計画の具体化については、今後、国や東京都によって検討されていくものと見解を示している。 明確な理由は明らかとなっていないものの、交通量、環境面、費用面、さらに困難を極めるであろう用地取得の問題が立ちはだかっていることは想像に難くない。 加えて、首都圏の道路ネットワークを構成する「3環状9放射(3つの環状の道路と9つの放射状の道路網の総称)」の計画で、特に都心の混雑を緩和するため、外環道をはじめとした環状の道路網の整備を積極的に推し進めていることも理由のひとつとして考えられる。現在工事が進められる外環道(大泉~東名間)が開通すれば、練馬IC付近の渋滞も大幅に改善されるだろう。 そそもそも、東名高速、中央道、関越道、東北道など、放射方向の高速道路の整備を急いだため環状道路網の整備が遅れた。それにより都心に用事がないにも関わらず、ただ通るだけという「通過交通」が集中し、慢性的な渋滞を引き起こすことになったという背景がある。 となると、この幻の高速10号練馬線の凍結が解除され実現に向けて動き出すのは、3環状の整備の後ということになるだろう。そこから用地の買収など、地道に事業を進めていくのだから、何十年後になるかもわからない。それでも、高速10号練馬線が検討路線となっている限り、その可能性は残り続ける。
KURU KURA編集部