解けないと着れない:トキキル代表が語る、謎解きアパレルの新たな挑戦
ファッション×謎解きで新たなチャレンジを
トキキルは、インターネットでいつでも洋服が購入できるデジタルの時代において、なぜ実店舗での体験にこだわるのか。 長島さんは次のように説明する。 「いつでも好きなものがワンクリックで買える時代に、わざわざ開催情報を調べ、チケットを購入し、ドキドキしながら店舗へ向かう。店舗へ入ると、普段の服屋とは違った異様な雰囲気・非日常空間が広がっています。 難しい暗号へのチャレンジにはスタッフとのコミュニケーションを交え、ひらめいた瞬間は一緒に喜びます。 無事に服を買って、外へ出るとそこは日常。ただ手元には謎の服が。体験はお店だけで終わりではありません。 服を見るだけで体験したときのことを思い出し、服を着ることで次は誰かに出題をする。暗号が仕込まれた服を着ることで『世界に謎を仕掛けている』一部になることができるのです。 こういった一連の流れ全てをひとつの『体験価値』として捉えています」 しかし、トキキルも時代の変化に対応している。 「これまでは実店舗にこだわっていましたが、現在では答えを入力しないと購入ページに辿り着けないオンラインショップを独自開発し、オープンしています。 ただ、こちらもいつでも買えるというわけではなく『300秒限定販売』など、入り口の体験は新しいものに常にチャレンジしています」 最後に、長島さんに今後のトキキルの展開について伺うと、展示会やファッションショーにもチャレンジしてみたいと考えていると教えてくれた。 トキキルは、単なる洋服の販売にとどまらず、購入プロセス全体を通じて独自の体験価値を提供している。実店舗での体験を重視しつつも、オンラインでの新たな挑戦も始めており、ファッションと謎解きの融合という独自のコンセプトをさらに拡大させようとしている。 ファッション業界にイノベーションを起こすトキキルの挑戦は、まだ始まったばかりだ。その革新的なアプローチが、どのように進化し、業界全体にどのような影響を与えていくのか、引き続き注視していきたい。