解けないと着れない:トキキル代表が語る、謎解きアパレルの新たな挑戦
「トキキル」というアパレルブランドをご存知だろうか。 洋服に隠された「暗号(謎)」を解かなければ購入できない、「解けないと着れない」をコンセプトにしたミステリアスなアパレルブランドだ。 これまでになかった新しい体験が話題となり、謎解き愛好家やファッション好きの若者を中心にブームとなっている。 しかし、トキキルに関する情報はインターネット上に限られており、多くの人がより詳しくブランドについて知りたいと感じているのではないだろうか。 そこで今回は、トキキル代表の長島くるみさんに、ブランド立ち上げの背景や特徴、今後の展望について話を伺った。
「解ける服を作りたい」から着想
トキキルには実店舗は存在せず、定期的にポップアップストアが開催されている。ストアへの入店にはチケットが必要で、制限時間も設けられている。その時間内に、気になった洋服のデザインに隠された謎を解かなければ、購入ができないという仕組みだ。
他のブランドとは一線を画しているが、どのようなきっかけで誕生し、そこにはどのような想いがあるのだろうか。 長島さんは次のように語った。「きっかけは、街中を歩いていると、時々解けそうな服を着ている人がいるのが気になっていて、実際に解ける服があったらいいなと思ったことです。特別な購入体験を通じて、服への愛着をより強く持ってもらいたいという想いがあります。謎解きが初めての方でも楽しめるように、全てのデザイン(謎)に対してスタッフがヒントを出せるようにしています。お客様にはスタッフとのコミュニケーションも楽しんでいただいていますね」
また、ブランドの核心である「謎解き」は、謎解き界隈で活躍するクリエイターをはじめ、さまざまな分野の著名人も制作に参加しているとのことだ。 このように、謎解きが得意・不得意に関わらず顧客が満足できるような配慮が見て取れるが、長島さんは代表として、トキキルをどのように楽しんでもらいたいのだろうか。 「普段の日常生活に謎解きを溶け込ませることができる『服』という媒体を使い、ファッションと並行して謎解きを楽しんでいただきたいです。服を買って終わりではなく、それを着て周りの人に出題をする側になる、というところまでを体験として楽しんでいただきたいと思っています」 この言葉から、ブランド内で完結するのではなく、ブランドを超えて顧客同士や顧客のコミュニティでも楽しめるところが、トキキルの魅力のひとつといえるだろう。