【箱根駅伝】帝京大学は10位 ルーキー小林咲冴、四つ巴のシード権争いで勝ち切る「10区でおいしいところを持っていきました」
第101回箱根駅伝で帝京大学は10位に入り、2年連続でシード権を獲得した。往路14位でシード権に黄信号がともったが、復路4位と巻き返した。強力な4年生トリオがつなぎ、ルーキーの小林咲冴(しょうご、樹徳)が四つ巴(どもえ)のシード権争いを勝ち切った。最後まで「世界一諦めの悪いチーム」らしい戦いぶりを見せた。 【写真】4年生の活躍が光り、復路は4位に食い込んだ
エース山中博生が2区区間5位、成長した姿を見せる
前回の箱根駅伝は9位。今シーズンは出雲駅伝8位、全日本大学駅伝8位と安定した成績で、箱根駅伝では過去最高順位の4位を上回る順位を狙っていた。 1区は全日本に続き、島田晃希(3年、高田)が担った。スタート直後に中央大学の吉居駿恭(3年、仙台育英)が飛び出し、関東学生連合の亜細亜大学・片川祐大(4年、報徳学園)も続いた。島田は自分のペースを保って3位集団を形成した。残り1kmで集団が動き出すと、島田も一気にラストスパートへ。首位の中大と1分38秒差の5位で襷(たすき)を渡した。 2区は主将でエースの山中博生(4年、草津東)。序盤で東京国際大学の留学生・リチャード・エティーリ(2年、シル)に抜かれたが、15km付近から國學院大學の平林清澄(4年、美方)や早稲田大学の山口智規(3年、学法石川)、中央学院大学の吉田礼志(4年、拓大紅陵)と4位集団を形成し、18km付近で前に出た。猛追してきた青山学院大学の黒田朝日(3年、玉野光南)と創価大学の吉田響(4年、東海大静岡翔洋)にかわされたものの6位につけた。区間順位は、エティーリ、吉田響、黒田の区間新を出した3人、そして駒澤大学の篠原倖太朗(4年、富里)に続く5位の好走だった。 前回も2区だったが区間16位と苦戦した。「悔しい思いを持って1年間やってきました。苦しい練習が多かったんですけど、それも全てこの日のためにと思って練習してきました」。今回は他校のエースたちと互角に渡り合い、前回苦しんだ戸塚の坂も克服して成長した姿を見せた。
往路14位、中野孝行監督「巻き上げていきます」
4区は1年時4区、2年時3区を経験している柴戸遼太(3年、大分東明)。トップの中大と1分21秒差で襷をもらったが苦しんだ。シーズン前半に左ひざを痛め、夏場の走り込み不足も響き、区間17位で順位を10位に落とした。4区の尾崎仁哉(3年、東海大福岡)も流れを変えられず区間13位で三つ順位を下げた。 5区は出雲で3大駅伝デビューを果たし、全日本6区区間4位と好調だった楠岡由浩(2年、慶誠)を起用したが、特殊な箱根の山に太刀打ちできず区間17位。14位で往路を終え、2年連続シード権獲得に暗雲が立ちこめた。 中野孝行監督は「1、2区はパーフェクト。3~5区は練習できていたが(本番に)合わなかった。夏にしっかり走れているかいないかが大きかった」と肩を落とした。ただ、シード権争いに絡みそうな8位の立教大学との差は2分1秒。「明日は巻き上げていきます」と復路に望みをつないだ。