【箱根駅伝】帝京大学は10位 ルーキー小林咲冴、四つ巴のシード権争いで勝ち切る「10区でおいしいところを持っていきました」
廣田陸が山下りで快走、4年生トリオにつなぐ
一夜明けた3日、「世界一諦めの悪いチーム」の本領が発揮された。 口火を切ったのは、当日変更で入った廣田陸(2年、北海道栄)だった。出雲3区、全日本4区を走って経験を積み、初の箱根で区間4位と快走した。芦ノ湖をスタートした時点では10位の日本体育大学と1分25秒離れていたが、下り坂を利用して一気に差を詰めた。2人を抜いて10位の東京国際大と7秒差の12位で襷を渡した。 平地にたどり着けば頼もしい4年生トリオが控えていた。7区の福田翔(世羅)、8区の高島大空(かなた、流経大柏)、9区の小林大晟(鎮西学院)は同学年でも特に仲が良く、「3人で復路の軸になって頑張ろう」と士気を高めていた。 福田は主力でありながら箱根は初出走。満を持して臨んだ舞台だった。12km付近の二宮では家族の声援を受けて坂を上った。給水地点の15km手前で立教大の小倉史也(3年、伊賀白鳳)、東洋大学の内堀勇(1年、巨摩)に並ぶと、直後に寮で同部屋の辻本桜寿(おうじゅ、1年、浜松開誠館)から力水をもらった。「福田さんならいける!」という言葉に力がみなぎり、「自信を持って前を走ることができた」。区間10位で順位を一つ上げ、シード権を射程圏内にとらえた。 「監督から自分の足音や息づかいが聞こえないくらい応援がすごいよと聞いていて、本当にその通りで。応援に背中を押されている感じでした。箱根でしか味わえない経験ができました」とほほえんだ。 副将を務める高島は最初で最後となる学生駅伝の出走だった。「思い出ランにするのではなく、ちゃんとチームに貢献する走りをしようと思って走り出しました」。競技は大学で一区切り。これまで支えてくれた家族の前で雄姿を見せようと粘り、区間8位で11位をキープした。 「3大駅伝が初めての選手でも走れるんだよ、という姿を見せれば、自分のような立場の選手も自信を持って次の大会に臨めると思う」と話した。