【箱根駅伝】帝京大学は10位 ルーキー小林咲冴、四つ巴のシード権争いで勝ち切る「10区でおいしいところを持っていきました」
山中博生主将「自信を持つ経験を大事に」
山中が主将になり、過去最高成績更新を目標にチームを作り上げてきた。 「総合3位は高いのかな」と感じていたが、高い目標を立てることで後輩たちにチャレンジする経験を積ませたかった。日頃の会話を通じて、怖がらずに例年以上の練習に取り組むことを提案し、小さな成功体験を重ねていくように促した。 それは自身の経験に基づく。「僕は1年の時にできないことが多くて。出されたメニューの半分までできたら次はここまで行こうと自分で考える部分があり、それを続けてここまで来られた。自信を持つ経験を大事にしてほしい」 中野監督は「4年間積み重ねた結果、4年目でしっかりやれること。4年生が学生スポーツの真髄」と説く。今回活躍した4年生はその象徴的存在だ。 最上級生になる島田は、「『学生スポーツは4年生が主役になるべきだ』と小林(大晟)さんがよく言っている。全日本も箱根も4年生に引っ張ってもらう結果になった。今年度の4年生のように、自分たちの学年でチームを引っ張っていけるように、その中心になれたらなと思います」と力強く語った。 チーム目標にこそ届かなかったが、帝京の強さを象徴する4年生の存在が光り、将来が楽しみな下級生も現れた。 小林咲冴は「この舞台で走ったことは同級生の刺激になると思う。ここから自分たちの学年が強くなって帝京を強くさせていきたい。まずは往路で戦える選手になって、卒業する時には山中さんを超えます!」と言い切った。 山中が入学時に憧れた“強い帝京”が戻りつつある。「あの学年に負けないような力を出せたかな」と、はにかむ。「新チームには今までの記録を超える走りをもちろん期待したいですが、箱根駅伝は何か必要で、何をやらなければいけないかを考えて日々生活してほしいです」と思いを託した。 今回力を発揮できなかったメンバーもポテンシャルが高い選手ばかりだ。この経験を糧に奮起し、新戦力を加えてパワーアップしたチームを作り上げてくれることを期待したい。