ワークマン独自開発の新素材「オニテックス」開発者のこだわりが生んだ、強くて軽くて涼しいカーゴパンツ
山田: 強靭さを誇る生地、ということで思い浮かぶ有名メーカーの生地を使用した製品と比べると「クロスランダー」は圧倒的に低価格です。その秘訣は何でしょう? 川田: 「クロスランダー」は、本来なら現在の倍くらいの価格になってもおかしくないでしょう。 さまざまな努力により低価格を実現させていますが、もっとも大きいのはやはり「量の強さ」です。大量に製品をつくるから、その分安くなるというシンプルな構図です。 たとえば、「オニテックス」はこの「クロスランダー」だけでなく、職人向けの作業服「プロコア」にも使われています。
川田: 多くの製品に生地を使うことで、コストが低減されます。 また、生地メーカーでも有名ブランドになると、「ブランド料」のようなコストもプラスされてしまいますが、ワークマンではそういうことはありません。 さらに、今後の製造量の多さを見据えた上で、安くしてもらっている、ということもあります。しばらくの間は「オニテックス」を使った製品をつくり続けたいと思っているので。とはいえ、売れてもらえないと続けられないので、ぜひ売れてほしいと思っています(笑)。
ワークマンで夏に売れる服の絶対条件
山田: 僕は最近、「オニテックスクロスランダーベイカーパンツ」と「オニテックスクロスランダーカーゴパンツ」を、普段着としてほぼ毎日愛用しています。カタログやタグではアピールされていませんが、「軽さ」も「オニテックス」の大きな魅力だと思います。
川田: ワークマンの夏物は、生地の薄い服が圧倒的に売れます。特に体を動かす現場の職人さんにとって、夏場の涼しさは絶対条件ですから。 当たり前の話ですが、生地の耐久性を高めようとすると、どうしても分厚くなってしまいます。なので、「オニテックス」の生地をオーダーするときは、薄さ、軽さにも非常にこだわり、何度も試作を繰り返しました。 ですが、ただ生地を薄くするだけだと、汗をかいたときにベタついてしまうことがあります。ですので、気持ち程度のシャリ感を出すことに加え、接触冷感素材を使うことで、強靭なのに薄くて軽くて涼しく着られる生地に仕上がりました。 「クロスランダー」は近年のファッショントレンドも反映させて、どの製品もある程度ゆったりとしたシルエットにしているんですが、着心地のよさや使い勝手を追求するとやはり必要だということで、ストレッチ性の高さにもこだわりました。最近の市場では気楽に着られる服のシェアが広がっていますが、「着ててストレスにならない」という点は重要だと思います。 山田: 「ストレス」は、今後の衣料品にとって大切なキーワードになると思うので、ぜひともワークマンにはその分野で業界をリードしていってもらいたいです。