どうなる?!熾烈なJ残留争い…横浜FC、仙台、大分のJ2降格決定で、残るは湘南、清水、徳島のうち1チームが降格
パリ五輪世代となる19歳、MF藤田譲瑠チマのJ1初ゴールで先制した徳島は、敵地・味の素スタジアムでFC東京に2-0で快勝。順位こそ降格圏の17位ながら湘南と清水に勝ち点3ポイント差で食らいつき、残留への可能性を繋ぎ止めた。 スペイン出身のダニエル・ポヤトス監督を喜ばせたのは、徳島からはるばる駆けつけたサポーターの存在と、出場が危ぶまれていた攻守両面のキーマンにして、キャプテンとして精神的支柱をも担うボランチ岩尾憲の戦列復帰だった。 「彼はプロフェッショナルとして可能な限りの努力をしてくれた。そのおかげで早期に復帰することができたと思っている。本当に感謝したい」 J2を戦っていた2017シーズンからキャプテンを託されてきた33歳の岩尾は、セレッソ大阪との第34節のハーフタイムに途中交代。ヴィッセル神戸との前節では今シーズンで初めてベンチからも外れ、チームもともに0-1で連敗していた。 けがの詳細は発表されなかったが、国際Aマッチウイークによる中断期間で懸命にコンディションを整え、FC東京戦では勝利を告げるホイッスルが響くまでピッチに立った。代役のきかない大黒柱の復帰に、指揮官も再び声を弾ませる。 「サポーターのみなさんが一緒ならば、ひとつのパワーになって戦える」 視線は再び敵地へ乗り込む、27日の湘南との直接対決へ向けられている。 岩尾がプロの第一歩を踏み出した古巣でもある湘南とは、いまも忘れられない因縁がある。J2の4位からJ1昇格プレーオフを勝ち上がった2019シーズン。J1の16位に終わった湘南との決定戦でも徳島が前半に先制したが、後半に追いつかれて1-1でタイムアップ。レギュレーションによって湘南の残留が決まった。 延長戦で決着をつけるべきだという意見や、開催スタジアムが上位のチーム、この場合は湘南のホームになった不公平感などに非難が集中したが現実は変えられない。無念さと悔しさを力に変えた徳島はリカルド・ロドリゲス監督(現浦和レッズ監督)のもと、昨シーズンのJ2を制して7シーズンぶりとなるJ1昇格を決めた。 2年前の一戦で先発し、後半終了間際までプレーした湘南の岡本も、徳島が見せた強さを思い出しながら「本当に大事な戦いになる」と気を引き締めた。 「徳島さんも2年前の悔しい思いをぶつけてくる。それを受けることなく、自分たちのやるべきことをしっかりとピッチで表現できれば、と思っている」 湘南が勝てばJ1残留が決まり、引き分け以下なら勝負は12月4日の最終節にもつれ込む。しかも徳島が勝てば勝ち点がともに「36」で並ぶ。得失点差で湘南が大きくリードしているとはいえ、ガンバのホームに乗り込む最終節へ大きな重圧がかかってくる。