サッカー版の新庄監督になれる?!浦和退団の槙野智章が掲げる「監督になって帰ってくる」の野望…移籍オファー待つ武器とは?
契約満了に伴い、今シーズン限りで浦和レッズを退団する元日本代表DF槙野智章(34)が、発表から一夜明けた17日にオンラインでメディアに対応した。 2012シーズンから10年間所属してきた浦和から、来シーズン以降の契約を更新しない旨が告げられたのが今月5日。1時間を超える質疑応答のなかで、何度も涙をあふれさせた槙野は「通達されたときにはまさか自分が、という思いが正直ありました」と打ち明けるなど、いま現在でも整理がついていない心境や浦和への愛を語った。 今後は現役を続行する意向で他クラブからのオファーを待つ一方で、引退後には指導者として浦和へ戻ってきたいと明言。プロ野球界を席巻している日本ハムの新庄剛志新監督の名前をあげながら「あの監督を見にいきたい、あの監督が指揮するチームを見たい、と思ってもらえるような監督になって帰ってきたい」と夢を膨らませた。
「毎日泣いています」
赤を基調とした浦和のトレーニングウエアに身を包み、パソコン画面の向こう側に座った槙野の涙腺は最初の質疑で緩み、言葉が途切れがちになってしまった。 「通達されてから時間はたちましたが、いまになっても自分のなかで答えを導き出せていませんし、まだ整理がついていない状況です」 Jクラブは所属選手に対して、毎年11月末までに契約更新の有無を通告しなければならない。今シーズンで契約が満了する槙野と浦和が交渉の場が設けられた今月5日。クラブ側から告げられた契約の非更新は、槙野にとって青天の霹靂だった。 「契約に関してこの場ですべてをお話しするのは難しいですが、通達されたときにはまさか自分が、という思いが正直ありました。たかが10年かもしれませんが、よそから来た僕にとってこの10年はものすごく濃かった。大好きなクラブにずっといたかったし、このクラブで引退したいと思っていたので。毎日泣いています」 中学生年代のジュニアユースから心技体を磨いた、サンフレッチェ広島のトップチームに昇格したのが2006シーズン。ブンデスリーガ1部のケルンをへて2012シーズンに加入した浦和で、槙野はいつしか現役を終えたいと考えるようになった。 実力以上のものを引き出してくれる、浦和という街全体に漂う日本屈指のサッカー熱に触発されながら、感謝の思いを還元していく過程で成長を遂げてきたサイクルを可能な限り持続させたかった。しかし、物語にはいつかは終わりが訪れる。 今シーズンから指揮を執るスペイン出身のリカルド・ロドリゲス監督のもとで、浦和は目の前の一戦で結果を求めながらチーム全体の新陳代謝も図ってきた。来年で35歳になる槙野がピッチの内外で残してきた功績へ最大級の敬意を払った上で、それでもシビアな決断を下さざるを得なかった浦和側の方針も理解しなければいけない。