他人には隠すけれど…「気分が上がる」「手に取りたくなる」 生理用品を欲しいものへと変えたアイデアとは?
開発に1年以上…「ショーツ型ナプキン」、ヒットの理由は?
1年間で出荷数累計400万枚突破とヒット商品になった「エリスショーツ」も、デザイン性が人気の理由のひとつ。2023年9月に発売した、エリス初の生理用ショーツ型ナプキンです。 SNS上でも、「欲しかったのはこういうデザイン」「ブラックというのがいい」「旅行用の紙ショーツ、災害時の備蓄にもなる」「災害や急な入院にも使える」など話題になっています。
「オムツっぽい」「厚そう」のイメージを払拭したい
――なぜ黒色に? 生理用ショーツ型ナプキンの未使用者へ実施した調査で、白色の素材が「オムツっぽい」「厚そう」といった見た目を気にする声が非常に多く寄せられました。そこで、従来のショーツ型ナプキンの概念を変えるために、もっと下着のような履き心地とカラーを実現できないか検討を重ね、社内外で調査を進めました。 その結果、ブラックカラーが「どんな服にでも合う」「大人っぽい、引き締まって見える」「汚れが目立ちにくい」といったオシャレの一環として支持され、非常に人気が高かったため、採用いたしました。 ――ビジュアルの部分が重要だったのですね。 一番こだわったのは「スタイリッシュさ」です。ブラックカラーで差別化を図るとともに、履いた時に身体にフィットし、股部分のゴワゴワ感が少ないよう設計しています。 ――触ってみて薄さと柔らかさに驚きました。 黒にすると決めたものの、ショーツ型ナプキンに使用している不織布は色をつけると硬くなる性質があり、素材選定にも時間を要しました。厚みの課題に関しては経血を吸収する吸収性ポリマーの配合量を調整することで吸収力を担保しつつ、ゴワゴワしない薄さとなっています。開発には1年以上費やしました。 履き心地の良さを実現できているので、就寝時以外の昼間やスポーツ時、アウトドアや旅先などでもぜひ使っていただきたいです。 ――パッケージへのこだわりは? ショーツ型ナプキンは今まで「夜に使う」認識が強かった商品ですが、このショーツはお昼も積極的に使っていただきたいことから、夜の青と昼の黄色のグラデーションにしました。一番にブラックカラーであることが伝わるようロゴも大きく打ち出しています。また、中の個包装もダークグレーの袋なので、持ち運びも気兼ねなく、使用後も処分しやすくなっています。 ショーツ型ナプキンは、まだまだ認知度が低いのが現状です。下着のように履いていただくことで生理の悩みを解き放ち、ポジティブな気持ちになってもらえたらと思います。 ◇ ◇ ちなみに、「いらないのでは?」とSNSで話題になった、ナプキンの吸収シート部分に入っているリボンやハートのステッチデザインは、経血の漏れや拡がりを防ぐ役割をしているそう。夜用だと星や月が入っているものもあり、「憂鬱な生理期間に少しでも気分を上げてもらえれば」という想いを込めてデザインしているとのこと。こういった部分にも機能的で細やかな配慮がなされていることが伝わってきます。 2022年4月からエリスは、“だれかではなく、あなたのそばに”というブランドメッセージを掲げ、「エリスの思想を軸に、既存の商品を含め現状に満足せず、より良い商品として一人でも多くの方にご愛用いただけるようリニューアルやプロモーションを図っていきたいと思っています。一人ひとり違う生理に寄り添うブランドであり続けたいです」と担当者さん。 漏れや蒸れなど気になることも多く、腹痛や頭痛などの痛みを伴うこともあり、どうしてもネガティブで憂鬱な印象をぬぐえない「生理」。ほぼ月に1回やってくるこのナーバスな期間を少しでも心軽やかに過ごしたい…生理がある人にとって共通の願いではないでしょうか。 自分の生理サイクルや経血量に合うナプキンを選ぶなかで、パッケージにウキウキできたり、使い心地の良さを求めるのが、今の時代ならではの向き合い方なのかもしれません。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)
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