大阪府は7日午前、大阪府庁で「第54回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」を開いた。会議では「現在の様々な状況を分析すると、20～30代若い世代の新規陽性者数も増えていっている状況。明らかに感染再拡大の兆候がみられる」として、現在出されている「まん延防止等重点措置」について、期限の延長を政府に要請することを決定した。 【中継録画】大阪府が新型コロナ対策会議　「まん延防止」の延長要請は？（2021年7月7日）

[写真]会議で発言する大阪府の吉村洋文知事＝7日午前、大阪府庁で

　吉村知事は会議冒頭で「大きな感染の『山』自体はグッと抑えられている状態と思っています。ただ現在の様々な状況を分析しますと、明らかに感染再拡大の兆候がみられ、感染者数についても前週比で増えている」と話した。 　また「重要な視点」として、人流の状況をみると今年3月と同じくらいの状況の人出となっている状況で人流が増えると感染者数が増える傾向にあるということ。日々の感染者数は大きな数字になってませんが、明らかに感染再拡大の兆候がみられる」と分析状況を述べた。

[資料]まん延防止等重点措置に関する国への要請について（大阪府公式サイトから）

　大阪府内の高齢者のワクチン接種状況については7月末でおおむね接種2回目が完了するとした。 　しかし吉村知事は「なんとか高齢者のみなさんにワクチンが行き届くことが重要、そういった観点からもこれからの3週間から1か月、高齢者の皆さんのワクチン接種が完了するまで大きな波を起こさせないことが重要となっている。いまの感染対策をみると、まん延防止等重点措置の延長を要請すべきだと思っています」と話していた。

[資料]感染状況と医療提供体制の状況について＜新規陽性者の発生動向＞（大阪府公式サイトから）

　会議では本部会議の座長で大阪大学大学院医学系研究科の朝野和典教授の意見が発表された。 　朝野座長は「人流の増加とともに 20代、30代を中心に現役世代が増加傾向に転じ、大阪市内の増加傾向が明らかになってきており、デルタ株の頻度の増加と相まって第4波で経験したような急激な増加の相に入る可能性が高まっている」と指摘していた。

[資料]感染状況と医療提供体制の状況について＜今後の対応方針について＞（大阪府公式サイトから）

　また「このためにはまん延防止等重点措置の延長もしくはそれに類する対策の継続が必要と考える」「ワクチンの効果は表れてきており、高齢者の接種を完了した後も、若い世代への接種を加速すべきである」という意見も発表された。