大阪・西成の住宅倒壊 残された一棟6日に解体へ 松井市長「解体当日は近隣住民に一時避難をお願い」
大阪市の松井一郎市長は1日午後、大阪市役所で定例記者会見を開き、大阪市西成区で住宅2棟が崖の下に崩れ落ち、残された一軒の解体について「6日に家屋の引き倒しを行う」と発表した。 【中継】大阪市・松井市長が定例会見(2021年7月1日)
重機により押し倒し崩れる方向を制御するために下側にもワイヤーを設置
会見によると、大阪市は6月30日に業者と「緊急仮契約」を行い、業者と大阪市建設局との間で施工方法について協議を行い、家屋の引き倒しを6日に行うことを決定した。 解体方法は、住宅の前面道路から重機により押し倒していくが、崩れる方向を制御するために下側にもワイヤーを設置して同時に倒す形を取るという。
住宅の裏側にある保育園に防護シートの補強
松井市長はあす2日から、残された一軒が自然に崩れるのを防ぐため、道路側に引っ張るワイヤーを設置するとともに、住宅の裏側にある保育園に防護シートの補強を行うと説明した。 また、3日から4日にかけては家屋が倒れる方向を制御するため、住宅の下側から引っ張るためのワイヤーを固定する台を作成し地中に設置。5日には設置した上にウインチを固定した上で、6日にワイヤーを切断。道路側から重機で押し倒すと同時に下側からも家屋を引っ張り倒すと説明した。
2日から6日は住宅裏手にある保育園が休園に
松井市長は「工事に伴い、2日から6日までの期間は、児童の安全確保のため保育園は休園。保育園のみなさんには大変負担をかけますが、ご理解をよろしくおねがいします。解体当日は近隣住民のみなさんに一時避難をお願いする予定です」と話していた。
松井市長「ある程度の予算は必要になる」
報道陣からは「撤去費用は金額はどのくらいかかるか」という質問があった。それに対し、建設局の担当者は「現在のところ、地盤の状況とか詳細な部分がなく今のところいくらかかるかは調査中」と答えた。 松井市長は「緊急な工事でいろいろと安全対策万全でやってるんでそこそこかかります。これは周辺の安全な環境を維持すると、周辺住民の命に係わるような話ですから、できるだけ我々も抑えるようにはしますけど、ある程度の予算は必要になると思います」と答えた。
責任の所在について「警察に捜査していただきます」
また「かかったお金は責任者に請求することになるとおっしゃっていたが、責任の所在については今後どうやって調べるのか」という質問もあった。 松井市長はそれに対し「警察に捜査していただきますんで、我々は全面的に協力して責任の所在をはっきりさせたいと思っています。もちろん我々は技術的には聞き取りにすべて応じながら、責任の所在を明らかにしたいと思います」と述べた。