日銀・黒田総裁会見12月18日(全文2)何よりもこの感染症の収束を願っている
フレームワークは変更しない理由は
日本経済新聞:日経新聞の【斉藤 00:40:36】と申します、よろしくお願いします。今回の金融緩和の点検について2点お伺いします。まず1点目が今回、大枠、フレームワークは変更しないということなんですけども、その理由について伺いたいと思います。つまり2013年の1月に2%目標を決めてから、間もなく8年たとうとしているわけですけれども、その間2%が達成できなかったということもあるかと思います。となると既存のフレームワークそのものが2%を目指す上で最適なのかというところから議論するということも発想としてはありうると思うのですが、それはせずにファインチューニングにとどめるといいますか、ファインチューニングということを目指されるというところはなぜなのかというところ。これがまず1点目です。 2つ目が今回、既存のメニューを点検していくということかと思いますけれども、その結果として足らざる部分で何か新しい施策、新しいオペを追加するとか、資産購入の対象範囲を拡大するとか、そういった新しいメニューを追加するということもありうるのでしょうか。以上2点、よろしくお願いします。 黒田:2%の物価安定の目標というものを2013年の1月に掲げて以来、8年近く、7年以上たっているわけですね。ただその2%が達成できてないっていうことだけを取りますと、それは実は主要国の中央銀行はみんなそうなんですね。それはリーマン・ショックがあって、そして足元ではまたコロナ・ショックがあってというようないろんなことが重なっている面もありますので、2016年の9月の総括的検証でも述べたように、金融緩和政策自体は間違ってないし、それをさらに効果的なものにするために従来の量的・質的金融緩和に代えて長短金利操作付き量的・質的金融緩和というものにして今日に来ていまして、このフレームワーク自体は特にこのコロナの影響の下でも十分機能しておりますし、基本的に間違っていないというふうに思っております。 ただ、その上で、諸外国も同様ですけど、わが国もこのコロナウイルス感染症の影響もあって、2%の物価安定目標を達成する時期っていうのがかなり先になってきているということは事実でありまして、その下でより効果的な、持続可能な金融緩和措置は何かということは十分検討する価値があるというふうに思いますので、そういうことはしようということであります。