巨人、大山の次は甲斐も石川も…FA拒絶ドミノで“全敗危機” 条件釣り上げのダシになっても期待される「皮肉な役割」とは?
大山の“禁断の移籍”は決定的かと思われたが……
阪神から国内フリーエージェント(FA)権を行使した大山悠輔内野手(29)の争奪戦で、巨人が阪神に敗れた。巨人は今オフのFA戦線では大山のほかに、いずれもソフトバンクからFA宣言した甲斐拓也捕手(32)と石川柊太投手(32)の獲得を目指しているものの、両選手ともにライバル球団としのぎを削っている現状で、予断を許さない。最も可能性が高いとされてきた大山を取り逃したことで、甲斐、石川を含め“3戦全敗”を危惧する声も聞こえてきた。 【写真】大山悠輔の打撃を覚醒へと導いた“師匠”は、現在、別チームで2軍打撃コーチを務める。
巨人の大山への条件提示は、阪神の5年総額17億円に対し、6年総額24億円超(いずれも金額は推定)だった。阿部慎之助監督が「世紀の大FAの先駆者になって欲しい」とラブコールを送れば、主力では坂本勇人内野手と岡本和真内野手、さらには山口寿一オーナーまでもがメディアを通じ、相次いで入団を歓迎する意思を表明した。球団、チームが一丸となっての取り組みに、阪神から巨人へ、宿敵同士の老舗球団間で史上初の“禁断のFA移籍”は決定的かと思われた。 さる在京球団編成担当は自身の予想が外れたことに驚きを交え、こう語る。 「他球団の担当者とも情報交換はしてきましたが、ほとんどの球界関係者が大山は巨人に移籍するとみていたはずです。金銭面で阪神を上回っていただけではなく、大山と関西のメディア、ファンとの関係が必ずしも良好ではなかったことなど説得力があるいくつかの根拠がありましたから……。大山を取れなかったことで甲斐と石川の獲得も雲行きが怪しくなってきましたね」 過去、巨人はNPBの12球団で断トツの28人のFA選手を獲得してきた。同じオフに複数選手を取ることも珍しくなく、直近では20年オフに梶谷隆幸外野手、井納翔一投手がともにDeNAから移籍した。18年オフは広島から丸佳浩外野手、西武から炭谷銀仁朗捕手の2人、さらに16年オフにはDeNAから山口俊投手、日本ハムから陽岱鋼外野手、ソフトバンクから森福允彦投手の3人が同時にFA移籍した。