巨人、大山の次は甲斐も石川も…FA拒絶ドミノで“全敗危機” 条件釣り上げのダシになっても期待される「皮肉な役割」とは?
巨人拒否で連鎖反応?
「複数でFA移籍すると、注目度が分散するため1人へのプレッシャーが軽減されるものです。大山が来ていれば、ライバル球団間では初めてのFA移籍で一身に注目を集めることが予想されたため、次に来ようとする選手は巨人を選択しやすくなっていたと思います。そうなりませんでしたから、巨人入りを拒む選手が連鎖する可能性も出てきましたね」(同編成担当) 近年、巨人のFA選手からの不人気ぶりは際立っている。一昨年オフは森友哉捕手(西武からFA、現オリックス)、昨オフは山崎福也投手(オリックスからFA、現日本ハム)の争奪戦に敗れ、FA補強は3年連続でゼロに終わった。19年オフには美馬学投手(楽天からFA、現ロッテ)と鈴木大地内野手(ロッテからFA、現楽天)の獲得にも失敗した。かつては誰もが一度はそのユニホームに袖を通してみたいと羨望の的だった球団の面影はすっかり消えてしまったようだ。 今オフもただでさえ潤沢な資金を数年間、プールしていた上で、満を持してFA戦線に名乗りを上げながらも、出だしでつまずいた形だ。関東が拠点の元NPB球団監督はこう指摘する。
監督交代でも不人気変わらず
「(前監督の)原さんから(現監督の阿部)慎之助に交代して、監督の独裁色が薄まって風通しが良くなったと思ったのですが……。巨人でFA選手は生え抜きほど大事にされないとか他球団の選手から見れば、何かと気苦労が絶えない球団なんですよ。そもそもアマチュア選手の憧れは今や巨人ではなくメジャーに移っています。現役時代の待遇だけが良くても、引退後の保証を含めた野球人生をトータルで考えると、巨人は選ばれにくい球団になっているということでしょう」 この元監督はしかし、日本球界では巨人がFA市場に参戦する意義が存在すると説く。 「巨人が争奪戦に加わると、球団間のマネーゲームに拍車がかかり、選手への金額が釣り上がってきます。他球団はたまったものではないですが、選手サイドから見れば大歓迎の事態で、この巨人の資金力を他球団の交渉で利用しようとさえする選手の代理人もいたほどです。今の巨人は大山のために確保していた予算を、甲斐や石川に回すことも可能になったので、2人への金銭面がさらに上がってくるかもしれません。だとしても確実に取れる保証はないのですが……」