「年金制度は崩壊する!」「未納者が多い!」専門家が<年金のよくある誤解>を徹底解説。「払い損になる可能性はとても低い。むしろ…」
厚生労働省の資料「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度の厚生年金の平均受給月額は14万3973円だったそうです。少子高齢化や「老後2000万円問題」などで、老後の資金に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そんななか「無理な投資をしなくても、公的制度を賢く利用すれば<減らない財布>が手に入る」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんです。今回は、長尾さんの著書『投資ゼロで老後資金をつくる』から一部引用、再編集してお届けします。 【図】国民年金の支払う保険料と受給額。何年で元が取れる? * * * * * * * ◆年金に頼らずに、何に頼るの? 老後の生活を安定させるには「収支のバランス」が重要で、それは年金の収入を中心に考えます。 しかし、年金に不信感を持っている人が多いのも事実です。「年金なんて頼りにならない」「本当にもらえるの?」「年金は払い損だ」といった声も聞きます。 では、年金は当てにならないという人にお尋ねします。老後の生活で年金を頼らないのであれば、何を頼りにするのでしょう。 それまで貯めてきたお金を老後資金にするなら、どのくらい必要か計算したことがありますか。 総務省の「家計調査(2023年)」によると、65歳以上の夫婦世帯の生活費は月額平均で約28万円かかります。老後生活が30年間だとすると、必要額は約1億円になります。 単身者の生活費は月額約16万円かかります。老後生活が30年間だとすると、必要額は約5800万円です。 もし、年金に頼れないというのなら、夫婦世帯ならば65歳の時点で約1億円が準備できていなければなりません。もしくは、ずっと働き続ける必要があります。 実際には、年金を受け取ることができるので、1億円近いお金を準備しなくてよくなるのです。 老後において、重要な収入源となる年金です。だからこそ、正しく理解し、うまく使いこなせるようにしたいものです。 年金については誤解も多いと感じます。よくある誤解を解き明かしていきましょう。
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