ソニーの超レアメディア「MICROMV」を絶滅メディア博物館で触る
こっちは知ってます! たしか切手サイズのカセットを使うヤツですよね。 川井:そうですそうです。カセットもありますよ。 川井:本体がこのサイズなのに、回転ヘッドを使ってこの小さいテープをヘリカルスキャン(斜め走査)するというところがたまりませんよね。 えっ、ビデオデッキみたいな回転ヘッドがこの中に? 川井:ありますよ、ほら。 (絶句)。 川井:このサイズで90分録音できる。しかも音質がいいという。DAT(デジタル・オーディオ・テープ)並みの音だったと。だからもう超変態機なんですよ。 (カメラマン大槻さんに)ヘッド、撮れた? 大槻:うーん……。難しい……。 ●スマホは展示してもロマンを感じられない 川井:デザイナーや商品企画の人の、何かこう、変態だなと思うくらいのこだわり、それが読み取りやすい製品が多いじゃないですか、やっぱりソニーは。 もっと言うと、ソロバンを度外視して子どもっぽいまでにそういうところにこだわりぬいた、というか。 川井:そうそう。 「えっ、本当にやっちゃったの?」みたいな感じになっちゃうところですよね。それを通す時代があり、風土があった。 川井:無駄と言えば無駄なんでしょうけれど、じゃあ、みんなスマホで、タブレットで、四角い板になって楽しいか、見てうれしいかというと。 そうですね。少なくともスマホは絶滅メディア博物館では映えないでしょうね。 川井:スマホは映えないですね。 やはりこの頃の製品には、映えるというか、なんというか、うーん、ロマンがありますね。 川井:そう。何だかよく分からない男のロマン、いいですね。そういうものがどうして生まれて、今はなぜ生まれにくくなったのかを知りたければ、『ソニー デジカメ戦記』を読んで、実際に触りたくなったら、大手町の絶滅メディア博物館にお越しいただければと(笑)。 そういうこともあってなのか、中古のコンパクトデジタルカメラがちょっとブームになっているそうですね。 川井:今日も若い方が「エモい」と喜んで触っていきましたよ。