麺やパンをもっちりさせる<小麦グルテン>が体調不良を招く腸漏れの一因に。専門医「実家がピザ屋の名テニス選手もグルテンフリーを取り入れて…」
◆あの選手も実践した「グルテンフリー」 この小麦グルテンを摂らないようにするのが「グルテンフリー」という食事法です。 小麦粉食品の摂取を制限することで小麦グルテンを除去したり、控えたりする食事法で、世界的なテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手が実践し、圧倒的な好成績を残したことで広く知られるようになりました。 ジョコビッチ選手の実家はピザ屋だったので、幼いころから毎日のようにピザを食べていたそうです。 ピザの生地は小麦粉でできていますから、何年も小麦グルテンを摂り続けていたことになります。 ジョコビッチ選手は、誰にも負けないほどテニスの練習に励みましたが、体調不良がつきまとい成績が安定しませんでした。 そこで、医師からすすめられたグルテンフリーを実践したところ、みるみる体調がよくなり、集中力も格段に上がり、数々のグランドスラム大会で優勝を収めるようになりました。 ジョコビッチ選手の不調は小麦グルテン不耐症によるものだったのです。
◆腸にベッタリ張りつく小麦グルテンを5日間断ってみる 「小麦グルテン不耐症」かどうかは、遅延型フードアレルギー検査をすればある程度はわかりますが、少量ではアレルギーが発症しないケースや年月が経ってから発症するケースも珍しくありません。 そのため、不調があっても、その原因が小麦グルテンにあるとは気づきにくいのです。 そこでおすすめしたいのが「5日間小麦粉断ち」です。 たとえば毎日パンやパスタ、うどんなどを食べているなら、5日間やめてみたらどうなるかを体感してみてください。 調子がよくなったら大成功! そのまま継続することができれば、腸漏れ改善は大前進です。 ちなみに、内視鏡検査では、腸内に小麦グルテンがベッタリと張りついた様子を数え切れないくらい見ています。私たちはこのような腸を「ベッタリ腸」と呼んでいます。 たとえ、小麦グルテン不耐症ではなかったとしても、「ベッタリ腸」が腸に悪影響を及ぼすのは間違いありません。だから、私たちはもう何年もパンを食べていません。 しかし、パンが好きな人にとっては、パンを食べてはいけないと言われるのはつらいことだと思います。 絶対に食べてはいけないとなれば、ストレスが溜まって心身に悪影響を及ぼす可能性もあります。 まずは常食をやめて週1回などルールを決めて食べるようにしてみてはいかがでしょう。小麦粉を使ったパンをやめて米粉パンを食べるのもいいアイデアです。 少しずつでも食べる機会、量を減らせば、きっと心と体には少しずつ変化が訪れるはずです。 ※本稿は、『たんぱく質と腸の新常識: 絶対に漏らしてはいけない 新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方』(Gakken)の一部を再編集したものです。
平島徹朗,秋山祖久