麺やパンをもっちりさせる<小麦グルテン>が体調不良を招く腸漏れの一因に。専門医「実家がピザ屋の名テニス選手もグルテンフリーを取り入れて…」
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上に推奨されている1日のたんぱく質の摂取量は、男性65g、女性50gだそう。しかし、内視鏡専門医の平島徹朗先生と秋山祖久先生いわく「実は日本人の8割がたんぱく質不足。その諸悪の根源は、不要なものが腸から漏れ出して吸収されてしまう<腸漏れ>」だそうで――。そこで今回は、お二人の著書『たんぱく質と腸の新常識: 絶対に漏らしてはいけない 新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方』から一部引用、再編集してお届けします。 【書影】専門医が自ら実践!漏れない腸にするための続けやすい食事術。平島徹朗・秋山祖久『たんぱく質と腸の新常識: 絶対に漏らしてはいけない 新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方』 * * * * * * * ◆できるだけ摂らないほうがいいたんぱく質とは? 実は、たんぱく質の中にはできるだけ摂らないほうがいいものがあります。それが小麦粉に含まれる小麦グルテンです。 小麦グルテンは、小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質が絡みあってできる網目状の成分のことです。 パンやうどんなどを作る際、小麦粉に水を加えてこねると手にベッタリと張りつき、なかなか取れなかったという経験がある人もいるのではないでしょうか。 この粘りと弾力を生み出しているのが小麦グルテン。パンをふっくらさせたり、麺がもっちりしたりするのは、小麦グルテンのおかげです。 しかし、小麦グルテンの粘りと弾力がかなりの曲者。グルテンの「glue(グルー)」は、ラテン語・英語で「のり」という意味です。 一度にたくさんの小麦グルテンを摂取すると、胃で消化しても粘りが残り続け、その名のとおり、のりのように腸内にベタベタと張りつきます。 それが腸内に長く留まり、腸内環境を悪くして腸漏れ(不要なものが腸から漏れ出して吸収され、そのぶん摂ったはずの栄養素が正しく吸収されていない状態)の原因となるのです。
◆小麦グルテンが引き起こす影響 また、乳製品における「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」と同様に、小麦粉にも「小麦グルテン不耐症」があります。 小麦グルテン不耐症の人がパンやうどんなどを食べると、小麦グルテンを消化することができず、お腹の調子が悪くなります。 小麦粉を摂るとお腹の調子が悪くなったり、頭痛、疲労感、集中力低下、肌荒れなどを引き起こすことがあるなら、体が小麦グルテンによって悪影響を受けている証。 腸内で炎症が起こり、腸漏れが起こっている可能性が高いといえます。 しかも、小麦グルテンは依存性が高い成分です。 喫煙者がなかなかタバコをやめられないのと同じで、パンやピザを長年食べ続けている人は、体が小麦グルテンを欲するようになり、なかなかやめることができなくなります。これも、腸漏れを悪化させる大きな要因です。