年金なんて払うだけムダ…〈年金制度崩壊〉を信じてやまない「年収800万円・貯金2,000万円」55歳個人事業主の末路【FPの助言】
「特別催告状」は、青→黄→赤の順で危険度が増す
「特別催告状」は、日本年金機構から送られてくる、年金保険料の支払いを催促する書面です。最初から赤色で届くわけではなく、最初は青、次は黄色、そして赤い封筒と、信号機の色のような順番で送られてきます。 青色の封筒には未納状況の説明が記載されていますが、赤色の封筒になると「財産を差し押さえることになる」という旨の記載がされています。 赤色の特別催告状が届いても手続きを行わなければ、「最終催告状」が届きます。令和5年度において、最終催告状は17万6,779件が作成されており、実際に財産の差し押さえにいたった件数は3万789件ありました。 このように、年金保険料は未納のままでいることはできません。納付しなければ、最終的には財産を差し押さえられてしまうのです。、ルールに従ってきちんと納付を行い、支払い催促があった場合には早めに対処しましょう。 また、財産を差し押さえられることのほかにも、年金保険料を納めないデメリットは、想像以上に多くあります。 1.将来の年金受給額が減る 老後に受け取れる老齢基礎年金は、保険料を支払った月数によって金額が変わります。つまり、未納の期間が長くなるほど将来に受け取れる年金額が減っていくのです。 2.障害年金や遺族年金を受け取れない 障害を負った場合に受け取れる「障害年金」や、年金受給となる対象者が亡くなった場合に遺族が受け取ることができる「遺族年金」も、保険料を納めていないと受け取れなくなることがあります。
とはいえ、納めるお金が無い…“救済策”は?
収入が少ないなど、なんらかの事情により年金保険料が払えない場合は、滞納するのではなく、役所で免除の手続きを行いましょう。 「保険料免除制度」は、本人や世帯主、配偶者の前年所得が一定額以下である、または失業した場合に申請することができます。申請書を役所に提出し承認された場合、所得に応じて保険料の「全額」「4分の3」「2分の1」「4分の1」が免除されます。 また、免除期間の保険料については、10年間の追納が認められています。したがって、免除申請が遅れても、10年の期間内であれば遡ってあとから納付することが可能です。 Aさんは知り合いのFPや税理士に赤い封筒が届いたことを伝え、「本当に財産を差し押さえられるのか?」「年金保険料を支払うべきか?」と確認してまわりました。すると、専門家たちは口をそろえて「当然、いますぐ支払ってください」といいます。 「このまま払わなくても大丈夫だよ」という人は1人もおらず、Aさんは渋々、年金保険料を納めました。「まさか、保険料を滞納したくらいで財産を差し押さえられることになるなんて。でも、今後もリフォームの仕事を続けるためにも、払っておくか……」Aさんはなんともいえない気持ちです。 しかし、人生100年時代といわれる昨今、亡くなるまで受け取ることのできる国民年金は老後の貴重な収入源となります。年金制度については“噂”を信じるのではなく、正確な情報を知り、上手に活用しましょう。 武田 拓也 株式会社FAMORE 代表取締役
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