箱根駅伝予選会を席巻した2人のスーパールーキーは本番レースでも活躍できるのか
今年の箱根駅伝予選会(17日・陸上自衛隊立川駐屯地内ハーフマラソンコース)にも“魔物“が潜んでいた。参加資格を突破した46校が「10枚」のチケットを目指したレース。上位候補に挙げられていた中央学院大は12位に沈み、37秒差で19年連続出場を逃す。さらに通過が有力視されていた名門・日大は18位と惨敗。90回目の出場には9分以上の開きがあった。 そのなかで前評判通りの強さを見せたのが順大と中大だ。今回はフラットなコースだったことを考慮しなければいけないが、総合タイムは順大が10時間23分34秒、中大は10時間26分13秒。ともに予選会の過去最速タイム(10時間29分58秒/18年の駒大)を大きく上回った。 そして、雨の無観客レースを熱くしたのが、両校が誇るスーパールーキーの存在だった。7月に3000m障害でU20日本記録・日本学生記録となる8分19秒37(日本歴代2位)を叩き出した順大・三浦龍司と、5000mでU20日本記録(13分28秒31)を持ち、9月の日本インカレ5000mを制した中大・吉居大和だ。彼らの強さには“魔物“も手出しはできなかった。 4人のケニア人留学生がトップ集団を形成すると、中大・吉居は第2集団、順大・三浦は第3集団でレースを進める。5kmの通過は吉居が14分13秒、三浦が14分37秒。吉居としては狙い通りの入りになったが、レース中盤は集団のペースが思うように上がらない。 10km通過は吉居が29分01秒、三浦が29分21秒。15km通過は吉居が43分55秒、三浦が44分04秒。5km通過時に24秒あったリードが15km通過時では9秒になっていた。そして、17.3km付近で吉居は三浦に並ばれた。 ふたりの心境はこうだった。先行していた吉居は、「10kmくらいからペースが落ちているなと感じていたので、後ろを気にしていました。15kmから自分でも引っ張ったんですけど、追いつかれてからは、ラストで勝つしかないと気持ちを切り替えました」と振り返る。 追いかけた三浦は、「吉居が前の集団にいるのは見えていたので、追いついて、最後は勝負していきたいなと思っていました」とともに“ラスト勝負“を意識していた。