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箱根駅伝予選会を席巻した2人のスーパールーキーは本番レースでも活躍できるのか

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 途中、三浦と吉居が競り合う場面もあったが、ラストは三浦が強かった。先にスパートした城西大・菊地駿弥を逆転すると、日本人トップの個人総合5位でゴールに飛び込んだ。タイムは1時間1分41秒。大迫傑が保持していたハーフマラソンのU20日本最高記録(1時間1分47秒)を塗り替えた。吉居も1時間1分47秒の好タイムで個人総合10位に入った。  レースを終えたふたりの感想はというと、三浦は、「全然実感はないんですけど、大迫さんの記録を超えられたのは凄くうれしいです。初ハーフをこういう結果で終わることができて、自信がつきました」と笑顔を見せた。  吉居は「初ハーフで1時間1分台を出せたのはうれしいですけど、1位の順大とは差もありましたし、日本人トップが目標だったので、同学年の三浦龍司君に負けてしまったのは悔しいです」と話していた。  では、スーパールーキーたちの走りを指揮官たちはどう見ていたのか。  順大・長門俊介駅伝監督は、「1年時の塩尻和也よりもいい練習ができていたので、1時間2分30秒は切れるかなという思いでいました。ただ、ここまでの記録は彼の潜在能力の高さを改めて感じたところです」と三浦の走りに驚いていた。  一方、中大・藤原正和駅伝監督も、「1時間2分は切ってくるかなと思っていたので、タイムは想定通りです。世界に出ていかないといけない選手なので、前のグループでチャレンジさせました。難しいレースをよく走りましたよ。三浦君のグループで行っていたら、タイムはもっと跳ねたのではないかなと思っています」と吉居を評価した。  高校時代から大活躍してきたふたりだが、メイン種目が異なることもあり、直接対決は非常に少ない。次に直接対決が実現するとなると、箱根駅伝だ。果たして、同じ区間に起用されるのか。

 三浦は、「希望区間は6区です。でも、1区や2区など前半の区間を目指してもいいかなと思っています」と具体的な区間を口にした。  順大・長門監督は、「合宿の様子を見ていても、起伏のあるところでも対応できるのかな。いろんな区間で起用できるので、一番のキーポイントで使いたいなと思っています。2区ですか? そのときの状況次第ですかね」と笑みを浮かべていた。一方の吉居は「走りたい区間は特にないんですけど、できれば1~4区。前半の方がいいですね。どの区間でも自分の力を出し切れる準備をしていきたいです」と落ち着いた口調だった。  順大と中大は2区の有力候補が見当たらない。ともに“エース区間“に抜擢される可能性がないわけではないが、今季は12月4日に日本選手権(長距離)が開催される。三浦は3000m障害、吉居は5000mに出場予定だ。特に三浦は東京五輪の参加標準記録(8分22秒00)を突破して優勝すると日本代表が内定する。吉居も本気で「表彰台」を狙っている。そのため、ふたりは箱根駅伝ではなく、まずは日本選手権にフォーカスして取り組んでいくことになる。  他の選手とは違い、箱根を目指して走り込むのではなく、スピードを意識したメニューとなる。そのため最長区間(23.1km)でラスト3kmに上り坂が待ち構えている“花の2区“の起用は現実的ではない。1区もしくは3区。どちらかの区間が有力になるだろう。  それでは、かつてのスーパールーキーたちは箱根路でどんな走りを見せたのか。「スピードキング」と呼ばれた中大・上野裕一郎は1区(05年)で区間19位、1万m高校記録保持者で前5000mU20日本記録保持者の東海大・佐藤悠基(現・日清食品グループ)は3区(06年)で区間賞(区間新)。1年生ながら予選会で日本人トップを奪った東海大・村澤明伸(現・日清食品グループ)は2区(10年)で区間2位と快走して、14位から4位まで順位を押し上げている。  前ハーフマラソンU20日本最高記録保持者の早大・大迫傑(現・ナイキ)は1区で区間賞、日本インカレ5000mで1年生Vを果たした駒大・村山謙太(現・旭化成)は2区(12年)で区間9位。大学2年時にリオ五輪の3000m障害に出場した順大・塩尻和也(現・富士通)は2区(16年)で区間5位だった。  他の選手よりも走り込みは少なくなるが、ふたりの実力を考えると、1区は区間記録、3区は日本人最高記録に近いタイムで走ることは十分に可能だと思う。  箱根駅伝だけではなく、1年時から世界を強く意識している三浦と吉居。日本選手権、箱根駅伝と続く道は確実に“世界“につながっている。2024年パリ五輪、2028年ロス五輪の星たちの活躍を楽しみにしたい。 (文責・酒井政人/スポーツライター)

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