僕の生き方、耐えられない人も多いと思いますよ──コツコツ投資を15年、厚切りジェイソンの“ぜいたく”な暮らし
お笑い芸人の厚切りジェイソン(36)は、IT企業取締役、投資家としての顔を持ち、資産運用だけで“家族全員が一生暮らせる資産”をすでに築き上げている。そう聞くと、つい高級車を乗り回し、豪邸に暮らすセレブ像をイメージしてしまうが、その暮らしぶりは正反対だ。車は持たず、移動手段は自分の足が基本。外食はしないし、旅行も好まない。無駄な付き合いはしない。自らを“とても保守的な投資家”と呼び、「日本人は投資を誤解しがち」と話す厚切りジェイソンが考える、「本当の豊かさ」とは……?(取材・文:山野井春絵/撮影:木村哲夫/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
僕の生き方、耐えられない人も多いと思いますよ
若くて元気なうちにFIRE(Financial Independence , Retire Early)、経済的自立をして早期リタイアする人生を、夢想する人は少なくないだろう。 日本のお笑い芸人にも、30代で早々にFIREを成し遂げた人がいる。「Why Japanese people!?」でおなじみの、厚切りジェイソンだ。 富と名声を求め、一発逆転のチャンスとばかりに芸能界を目指す人も多いなかで、ジェイソンのキャリアは異例。名を馳せるきっかけとなった「R-1ぐらんぷり」に出場している頃、彼はすでにコツコツと投資を続け、アメリカのITベンチャー企業で取締役を務めていた。 投資をはじめて15年で、家族の一生分をまかなう資産を築き上げたが、なぜ日本でお笑い芸人を続けているのか。 「それは、ただ楽しいから。この答えでいいんじゃない、だめですか? 確かに、もう正直、働かなくてもいいんですよ。だから、より自由になって、やりたいことが選べるようになった、という感じですけどね」 うらやましい。ついそう漏らすと、目を光らせた。 「どうだろうね、僕の生き方、耐えられない人も多いと思いますよ。全然苦だと感じていないんですけど。僕はお金を使わない。使わなくていいからこそ、こういう状態にある。僕が、節約をして地味に生活をすることに満足できる人だから。FIREとか、資産という言葉に魅力を感じている人って、地味な人生を送りたくないじゃない? 例えば、毎回新しいiPhoneが欲しいとかね、そういう発想だと、お金はたまらないです。世の中の物欲に巻き込まれている人は、そこから抜け出しにくいと思う」