僕の生き方、耐えられない人も多いと思いますよ──コツコツ投資を15年、厚切りジェイソンの“ぜいたく”な暮らし
汗を流した収入でなければ、『下品』みたいな雰囲気はありますよね
とはいえ、まだまだ投資におよび腰な人は少なくない。 「詐欺とかギャンブルとか、そういうものとごちゃ混ぜにして、『投資』自体を誤解するのはどうかと思う。誤解しがちなのはもったいないよね」 日本人の「投資」に対するイメージが、こうした誤解を生み出しているのでは、と指摘する。 「何か、汗を流した収入でなければ、『下品』みたいな雰囲気はありますよね。でも時代は変化している。財産の作り方について考えない人は、これから生き抜いていけない世の中になると思うので、投資は下品うんぬんではなく、自分の生活を守るために不可欠な作業だと思ったっほうがいい。想像しているよりもずっと、地味な作業になるとは思いますけど」
日本各地の学校からも、講演依頼が殺到している。先日は都内の女子校で「お金の授業」を行い、資産形成には早い段階でのライフプランニングが不可欠だと語った。ジェイソン本人が投資をはじめたのは、20代の前半から。アメリカでGEに就職した際、老後の資金をつくるため、インデックスファンドを給与から自動的に割り当てる制度に参加したのがきっかけだ。投資歴は、およそ15年。FIREして、2年になる。 「僕のやっていることは、とっても簡単なこと。支出を減らして、全米インデックスファンドを買うだけ。本も書いたんですけど、言いたいことはたったそれだけだから、一冊にするのはけっこう大変でしたよ(笑)。とにかく、よくある株のイメージで、一晩で数億稼ぐとか、そういうことではまったくない。来週までに億万長者、じゃないんですよ。それは、地味な作業の繰り返し。なかなかきっかけがつかめないという人も、データを使って、シミュレーションをしてみたら、実感するんじゃないかな。つみたてNISAを月々3万円するとか、少しずつ、一生続けられるような投資を、習慣化できるような基礎を固められたらいい」
基本は徒歩、「節約ジェイソン」の「ぜいたく」な暮らし
つつましく、堅実に生活する両親のもとで、ジェイソンは育った。会社員の父親と、専業主婦の母親。母親は割引クーポンをいつも持ち歩き、セールを活用して家計をやりくりしていた。 「お父さんは、『お母さんがそうやって工夫してくれることで、お父さんが稼いだお金の購買力を倍にしている。お母さんは働いていないけれど、同じくらい家計に貢献しているんだよ』と言っていました。節約の大切さ、1ドルの価値について、小学生の頃から考えていましたね。高校生になると、またお父さんが、『仮に1億円の宝くじが当たったとする。全部使い切る人もいるかもしれないけど、代わりに投資をしていたら、例えば、毎年年間600万円の、年収と同じくらいの利益をもらうことができる』という話をしてくれて、資産が継続的な利益を生み出すことは、見えていたと思います」 「厚切りジェイソン」の名前の由来にもなっていた神奈川県厚木市から、数年前に都内へ引っ越した。ジェイソンにとって東京での暮らしは、「便利」の一言に尽きる。