僕はMCでも司会者でもない――。くりぃむしちゅー上田晋也、芸人としてのこだわり
くりぃむしちゅーの上田晋也は、いまや日本有数の人気司会者として知られている。報道からバラエティーまで幅広いジャンルの番組でMCを務め、どんな共演者を相手にしても堂々とその場を仕切ってみせる。 知識や語彙の豊富さにも定評があり、七色の「たとえツッコミ」を駆使して笑いを巻き起こす。いまや芸人MCの代表格でもある上田は、自身のことをどのように見ているのだろうか。(文中敬称略 取材・文:ラリー遠田/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 「基本的にはオファーが来るからやらせていただいているだけなんですけど、僕がいろんな種類の番組をやっているのは、飽きっぽいからというのもありますね。熱しやすく冷めやすいところがあるから、ちょっと報道系の番組もやってみよう、クイズの番組もやってみよう、っていう感じで飽きずに仕事ができているのかもしれないです」 プライベートでも、たとえば野球のことが気になると、3日間ぐらいは野球の本を必死で読み続ける。でも、4日目になると急に興味を失って、今度は別の分野の本を猛然と読みだしたりする。そうやって雑多な知識がどんどん積み重なっていく。 「知識が豊富なわけじゃないんです。深いことを知っているかというと、ほぼ知らないですから。いろんなことに興味があるっていうだけです」 一方、自らの主戦場であるテレビに関しては、驚くほどあっさりしている部分もある。何しろ、普段はバラエティー番組を見ないというのだ。 「たしかにバラエティーは全く見てないです。僕が見るのは野球、ボクシング、バスケとかのスポーツと、あとはドラマの『相棒』ですね。『相棒』だけはプレシーズンから全話見てます」 テレビを見るのはスポーツと『相棒』だけ。「50代の一般人男性」であれば割と標準的だと言えなくもないが、現役でテレビの最前線にいる芸人MCとしては少々意外な感じもする。 普段からテレビを見ていないので、世の中の流行や新しく出てきた芸能人に対する知識が欠落しており、番組で共演するゲストの情報を知らないことも多い。 「ゲストとして出てきた芸能人のことを全く知らないっていうこともちょくちょくありますよ。『しゃべくり007』に後輩芸人が来たときも『誰だ?』と思いながら、とりあえず1分ぐらいネタをやってもらって。なるほど、こういうことをやってるんだな、っていうことだけを仕入れて、そこから話を始めたりしましたよ」