北参道のフレンチの名店「シンシア」のシェフがひらめきを求めて通う、家族も喜ぶ行きつけとは?
ランチのおすすめ②上海家庭料理 大吉
石井氏が世田谷の松陰神社近くに住んでいた頃から10年以上通う行きつけが、世田谷通り沿いに佇む「上海家庭料理 大吉」だ。「料理は僕の好きな上海系、中国人の方が営む家族経営で、接客サービスなど本場の雰囲気を感じさせてくれます。知る人ぞ知る的なお店です」
店名が躍る赤と白の看板、黒く塗られた外壁が町になじみ、うっかりしていると通り過ぎてしまいそうな店構え。テーブルと椅子は赤で統一され、家族はもちろんふらりと1人でも入りやすい雰囲気だ。
シンプルな「空心菜炒め」や「上海大ワンタン(スープワンタン)」など、毎回ほぼ決まったメニューをオーダーするという石井氏。中でも欠かさないのが「上海風フカヒレおこげ」だ。目の前で、香ばしいおこげに餡をかけて仕上げてくれるのだが、餡をかける瞬間のジュワーッという音と香りが五感を刺激、おこげのザクザクした食感と餡のとろみも絶妙で人気メニューなのもうなずける。
もう一品のお気に入りは黒々した餡がたっぷりかかった「上海風黒酢豚」。酢豚といってもニンジンやピーマンなどの野菜はなく、豚肉とトッピングの白髪ネギだけと至ってシンプル。揚げた豚肉の表面は、カリッと中はやわらか、甘酸っぱい黒酢餡が絡み、ご飯と一緒に食べるのもおすすめだ。
・上海風フカヒレおこげ、上海風黒酢豚ほか ~5,000円
上海家庭料理 大吉
住所 : 東京都世田谷区世田谷4-7-3 TEL : 03-5450-4557 ※価格はすべて税込です。
取材・文:池田実香(フリート)