黒田知永子さんが、大人にこそ黒い服をすすめる理由(インタビュー/前編)
モデルの黒田知永子さんが手がけるファッションブランド『nuit noire』(ニュイ ノワール)がデビューした。 レジェンド・モデルとして活躍するかたわら、長年つちかってきたファッションセンスをフルに生かして、新しい挑戦だ。 3パターンの黒い服には、いったいどんな思いが込められているのだろう? 黒い服が好きなのはなぜ? 普段の生活で、どんなふうに着こなしているの?
黒って、とても華やかな色だと思うんです
黒田知永子さんが作った黒いワンピース2型とブラウス、とっても素敵だ。 ワンピースは膝下丈で、品が良くてシルエットがきれい。ビジネスシーンやちょっとしたお出かけにぴったり。ボウタイ付きのブラウスはエレガントな印象で、なんならデニムに合わせてもお洒落に決まる、オールマイティな1枚。 どちらも黒無地だから、冠婚葬祭にも活躍しそう。 「そう、冠婚葬祭、そこから考えたんです。そもそも式服って、けっこうお値段が高い割には、かわいいのがないじゃないですか。 冠婚葬祭だと、服装はこうじゃないといけない、ああじゃないといけないって、ルールがあるのかもしれない。でも、礼を逸しなければ、ありきたりの礼服じゃなくてもいいと思うんです。 私自身、結婚式でも喪のときにも、日常的に着ているものを着ていくことが多いです。だから、普段おしゃれに着ることができて、冠婚葬祭の、いざというときにも気後れせずに着ていける、そんな服を作りたかったんですよね」 となると、色はもちろん、黒になる。 「私、黒は万能な色だと思っているんです。黒は地味、暗いと思い込んでいる人が多いけど、実は黒って華やかな色だと思う。大好きなの(笑)。 年をとってくると、顔が暗く見えるからって黒を避ける人もいるけれど、それ、間違いだと思う。黒を着ているほうが、肌が白く見えたりするんですよ」
普段も着られるように、という思いは、服のディテールに込められている。 「やっぱり着心地が一番大事だから、生地は厳選しました。肌触りが良いし、伸縮性があって、自宅でのお手入れも可能。 そして黒は黒でも、浅い黒じゃなくて濃いめの黒にしました。あと、ボタンは私の大好きなくるみボタンです。 シルエットは年齢を重ねた方でも着やすいように、絶妙に緩みがあります。ポップアップショップに見に来て下さった方で、『私にはこのサイズは無理かも』っておっしゃる方がいたんですけど、試着したら全然OKで、すごくお似合いでした。 一見、細身に見えるかもしれないけど、着てみると案外大丈夫な服なのかも(笑)」