黒田知永子さんが、大人にこそ黒い服をすすめる理由(インタビュー/前編)
大人の女性のニーズを、しっかり反映している。もちろん、黒田さんはファッションモデルで、デザイナーではないけれど、服のことはよーく知っている。 「今までどれだけの服をお仕事で着てきたことか…。そして投資してきたことか(笑)。 『今日はこういう気分だからこの服で出かけたい』と思って服を選びます。子どもの頃も『こういう服が着たい』とか『これはイヤ』とか、うるさかったみたい(笑)。 今も、こういう場所に行くからとか、誰々と会うからとか、その日の目的とは関係ないんです。自分の気分優先なのね。何か決めるときには、本能に従う。直感の人だから(笑)」 大学生の頃からモデルを始め、以来ずーっと、さまざまな服を着てきた。数多くの服に袖を通した結果、自分に選ぶのは、着心地の良い服ばかり。 「ワードローブを開けると、黒・紺・グレーのオンパレードです。時々ちょっとインパクトのあるものも着るので、そういうものも入ってはいるけれど。 シンプルなデザインが多いですね。似たような形が多いから、たたんでしまってあるニットなど、照明を明るくしないとどれがどれやらわからない(笑)。でも手で触ると触感で、『あ、あのセーターだ!』ってわかるんですよ」
そんな彼女が選び抜いた素材、こだわりぬいたデザインで、3つのアイテムはできあがっているのだ。 「だから今回はディレクターという立ち位置です。今までもコラボ商品だったり、デザインやコンセプトについて意見を言わせていただく仕事はいくつかしてきましたし。 今回も、『ここにこだわって、こういうディテールでお願いします』とお話しして、それをすべて反映してくださるデザイナーさんはじめスタッフがいて、できあがった服たちなんです」 最初の挑戦ということで、控えめに3アイテムからの出発だけど。 「ゆくゆくは、Tシャツ。Tシャツって『たかがTシャツ、されどTシャツ』だと思うので、本当に自分が欲しい、自分が好きなものを作って提供したいです。 私は、誰かにプレゼントをするとき、自分の好きなものを贈りがちなんです。独りよがりかもしれないけど(笑)。その延長みたいなものかな。あと、ニットなんかも作りたいです」