日ハム新庄監督の狙いは何だったのか…異色の沖縄キャンプの第1クールをひもとく……アイデア練習の裏にある育成と意識革命
新庄剛志氏(50)を新監督に迎えた日ハムの沖縄キャンプが面白い。沖縄国頭の2軍キャンプからスタートを切った“BIGBOSS“は第1クール最後の3日も、その国頭を訪問した。異例の走塁指導、フラフープを使った送球練習、阪神の藤浪晋太郎の映像を使ったバーチャル打撃マシンの導入、そして自らオファーして招いたタレントで陸上の十種競技の元日本王者でもある武井壮氏(48)の2日間の臨時コーチ。新庄キャンプの第1クールから見えてきたのは、育成への本気と選手の意識改革だった。
第1クールの総括会見は行わず
常識など通用しない。やはり新庄だ。クールごとの監督の総括会見は各球団のキャンプの恒例行事ではあるが、この日は囲み会見を行わず「那覇行ってきまーす!」と手を振って颯爽と球場を去ってしまったという。それは満足感の表れかもしれない。 3日間、プロ野球キャンプの話題をBIGBOSSが独占した。初日には、近未来マシンのような三輪自動車「ゴードン社トライク」にまたがり轟音を響かせて沖縄国頭での“BOSS組”と名付けた2軍キャンプに登場。報道陣に飴やカレーをふるまい、フィールドでは走塁革命とも言える指導。2日目には、沖縄名護で“BIG組“と名付けた1軍メンバーを相手にアイデア練習を次から次へと披露した。 フラフープを使った送球練習、阪神の藤浪を登板させたバーチャル打撃マシンの導入、そして今キャンプで8人を招聘する予定の臨時コーチの第1弾として、武井氏を招き、たっぷりと“百獣の王トレ“をレクチャーしてもらった。あいにくの雨にたたられた3日目には、再び国頭へ。臨時コーチの武井氏のセッションを視察し、ブルペンではドラフト6位の変則左腕、長谷川の打席に立った。 新庄監督は今キャンプで何をやろうとしているのか。その狙いを象徴するコメントが初日にあった。 初日を終えた感想の第一声として、「練習のための練習をしているような感じに見えた。練習を試合のようにやって欲しい」と語ったのだ。