球界大御所が矢野監督の「今季限り退任」表明で揺れる虎に緊急提言…「阪神は次期監督として落合博満にオファーすべき」
プロ野球のキャンプが1日、沖縄、宮崎、高知、所沢などでスタートした。矢野燿大監督(53)が前日に「今季限りでの退任」を明かした衝撃の余波の中で船出したのが阪神だ。巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏は「今すぐ辞めた方がいい」との辛辣な意見で、異例の事態をぶった斬り、次期監督として中日を4度リーグ優勝させた落合博満氏(68)を推薦した。
「今すぐに辞めた方がいい」
何事もなかったように阪神の沖縄・宜野座キャンプが始まった。 前日の全体ミーティングで選手、スタッフらに「今季限りでの退団」を表明した矢野監督は、グラウンドで行われた歓迎セレモニーで挨拶に立ち、「今年は寅年。僕達がリーグ優勝して、日本一になって、その頃には(新型)コロナも収まって、日本中に笑顔を届けられるような未来を想像して、このキャンプ、厳しく、その中でも全員で苦しい練習を楽しみながら乗り切っていきたい」と宣言した。 もう「今季限りで退任」の問題に触れることはなかったが、ファンや球界からは、賛否両論、様々な反応の声が出た。 “ビッグボス“こと日ハムの新庄剛志監督は、「それ(開幕前の退任)どっかで聞いたことがある。オレも言っていたよね。早めの引退。似てる」と、自らも、2006年の開幕直後に「今季限りでユニフォームを脱ぐ」と明かして、ラストイヤーを戦ったことに重ねた。そして「矢野さんが今年で終わるってことで、選手もいろんな思いがあると思うし、変わるんじゃないですか」と”退任効果”が生まれると予想した。 このタイミングでの退任表明に疑問を抱いたのは阪神で臨時コーチを務めたこともある“球界大御所“の広岡氏だ。 「いったいどういうことなんだ? 正直ビックリした。”さあキャンプイン”というタイミングで、指揮官が”今年で私は辞めます”と伝えることなんか聞いたことがないし、信じられない行動だ。相当な決意や覚悟があってのことなのだろうが、その思いは最後まで胸に秘めて戦うべきだろう」 さらに広岡氏は、こう続けた。 「果たして1年でいなくなる監督に選手がついていくのだろうか。監督の契約年数は3年でも短い。5年なければ選手は指揮官の方を向かない。辞めるということは監督にとって最大の責任の取り方。結果が出なかったから辞める、チームを強くするための球団の方針に納得がいかないから辞めるというのが責任の取り方であって、最初から“今年で辞める”では責任の所在が曖昧になる。単なる逃げだ。それなら今すぐに辞めた方がいい。求心力を失い、チームがバラバラになる危険性がある。このことでチームがまとまり、いい方向、いい結果に結びつくか?と聞かれれば、はなはだ疑問。球団は慰留したのだろうが、最終的に、このタイミングで退任の意向を公表することを認めてしまったことにも問題はある」