「放課後に公園で遊ぶ」は希少?今、子どもに「サードプレイス」が必要なワケ
保護者のかたにとって、お子さまの「ウェルビーイング」(=幸せで充実した状態)は一番の願いではないでしょうか。 子どものウェルビーイングを決める要素はさまざま。 近年の調査では、「サードプレイス」と呼ばれる、家庭や学校以外の居場所を持つこととウェルビーイングとの関連性が明らかになってきています。 なぜ、子どもにとってサードプレイスの存在が重要なのでしょうか? そして、保護者のかたは、子どもにどんなサードプレイスを用意すればよいのでしょうか? そんな疑問について、小学生の放課後の居場所づくりに取り組む、特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」代表理事の平岩国泰さんにお話を伺いました。
「居場所の数」が子どものウェルビーイングに影響
まずは、内閣府による「こども・若者の意識と生活に関する調査」の結果をご紹介します。 全国の子ども・若者を対象としたこの調査では、「居場所の数と自己認識の関係」というテーマについての分析も行われました。 その結果、居場所が多い人ほど、自己肯定感やチャレンジ精神、充実感などが高い傾向が見られたのです。 子どもが家庭や学校以外のサードプレイスを持つことは、ウェルビーイングを高めるうえで非常に重要であることがわかります。 では、サードプレイスが子どもに与える影響や、保護者のかたがどのようにして新たな居場所を用意できるのかについて、ここからは平岩国泰さんに詳しく伺います。
子どものサードプレイスは「意識してつくる」時代に
【――なぜ、サードプレイスの存在が、子どものウェルビーイングを高めると考えられますか?】 家庭や学校では、どうしても子どものキャラクターや役割が固定されやすい面もありますが、サードプレイスでは、そこから離れて自由に活動できるのが大きな要因だと思います。 私たちは、放課後の小学校を活用し、学年を超えた子どもどうしで多様なアクティビティに取り組んでもらうという活動を行っています。その光景を見ていても、自由にやりたいことをしたり、学校とは異なる人間関係をつくったりすることで、自己肯定感や幸せ度を高めている子どもは本当に多いと感じています。 【――保護者のかたの子ども時代と比べて、近年、子どものサードプレイスはどんなふうに変化していますか?】 数十年前は、空き地などで子どもどうしで遊び、地域の大人がさりげなく見守るといったケースがよく見られました。いわば「地域」が子どもの居場所だったわけです。 しかし現在は、共働き家庭の増加などに伴ってそのような光景は減り、より安全な居場所として学童保育や塾、習い事の場などが主要なサードプレイスになっています。 また、SNSでのコミュニケーションやオンラインゲームなどで友達と交流する小学生も増えていますね。その意味では、インターネット空間も子どもの新たな居場所の一つといえるかもしれません。