「放課後に公園で遊ぶ」は希少?今、子どもに「サードプレイス」が必要なワケ
大切なのは、子どもが自分で決めること
【――子どもの居場所を新たにつくりたい時、どんなことから始めればよいでしょうか?】 まずは、子ども自身に気になる居場所がないか、質問してみるのがいいでしょう。 そこで特にアイデアが出てこなくても、学童保育にしても、習い事や塾にしても、子どもと一緒にいろいろな場所を見学して、意見を聞きながら決めていくとよいですね。 保護者のかたとしては、一定の学齢になると「そろそろ塾に入れたい」などのご希望もあるかもしれません。 しかし基本的には、子どもと話し合って決めることが大切です。たとえ子どもの当初の意見とは違う結果になったとしても、そのプロセス自体に関与するだけでも、子どもの自己決定感は養われていきます。 【――「習い事や塾をサボる」「なんだか楽しくなさそう……」など、サードプレイスでの活動がうまくいっていないと思われる時は、どうすればよいでしょうか?】 子どもとよく話し合いながら、今後どうするかを一緒に決めていけるとよいですね。 ご家族としては、「我慢強さを身に付けるためにも、がんばって続けてほしい」と思われるかもしれません。 でも、この場合も最終的な決定は子ども自身に委ね、「自分で決める」練習をさせてあげましょう。 「好きで始めたことがなかなか続かない」といったことは、大人にもよくあるものです。 ですから、うまくいかないことがあっても、「自分はどうしたいのか」「どんなふうに問題を解決していけばよいか」を子ども自身が考えるためのよい機会になるのではないでしょうか。
まとめ & 実践 TIPS
お子さまに居心地のよい居場所をつくってあげることは、保護者のかたにとっても新たな出会いのチャンス。 同じ学校・クラスとはまた違う顔ぶれの保護者仲間なら、子育ての悩みなどを共有しやすい面もありそうです。 平岩さんのアドバイスを参考に、お子さまも保護者のかたも、多様なコミュニティの中で自分を解放し、ウェルビーイングを高めていけるとよいですね。 子どものウェルビーイングを考えるうえで、どのような要因が子どもの「幸せ実感」と関連しているのかについて「子どもの生活と学びに関する親子調査2015-2023」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト)でもさまざまな切り口から分析を行っています。 詳しい情報は、ベネッセ教育総合研究所のホームページをご覧ください。
プロフィール 平岩 国泰(ひらいわ くにやす) 特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール 代表理事 1974年東京都生まれ。1996年慶應義塾大学経済学部卒業。株式会社丸井入社、経営企画・人事などを担当。2004年長女の誕生をきっかけに、2005年放課後NPOアフタースクールの活動開始。グッドデザイン賞(4回受賞)他各種受賞。2013年~2019年文部科学省中央教育審議会専門委員。2017年より渋谷区教育委員。2019年より新渡戸文化学園理事長。未来の学校と放課後づくりに挑む。