【五十嵐亮太×長谷川晶一】2年連続5位の悔しさを越えて スワローズ2025年の再建計画
五十嵐 ついに、あの若松さんを超えましたか! それは一大事だ(笑)。もちろん、山田や村上にとっても、ノリ(青木)が抜けたことは大きいと思うけど、チームというのは、そういう新陳代謝を繰り返しながら進んでいくものだし、選手たちも、偉大な先輩がチームを去ったことで、残された者が責任を自覚して成長していくもの。だから大丈夫です。 長谷川 そう考えたら、野手最年長の川端慎吾選手も、今までとはまた違った責任が芽生えるだろうし、キャプテンの山田選手も彼なりのキャプテンシーを発揮するだろうし、村上選手も、自分よりも年下の長岡、内山壮真選手らに対して、先輩らしい振る舞いを見せるようになっていますよね。青木さんの引退は寂しいけど、五十嵐さんの言うように、そうやって後輩たちも成長していくんでしょうね。 五十嵐 まだキャンプ前だけど、フロントは着々といい補強をしているし、2年連続悔しい思いをしているからこそ、選手たちも目の色を変えることだと思いますよ。 長谷川 就任6年目となる高津監督も1年契約、背水の陣で臨みます。この2年間のストレスを一気に解消できるような気持ちのいいシーズンになることを期待したいです。 五十嵐亮太(いがらし・りょうた)/1979年5月28日、北海道生まれ。千葉・敬愛学園から97年ドラフト2位でヤクルトに入団。プロ2年目の99年にリリーフとして頭角を現し、一軍に定着。04年はクローザーとして37セーブを挙げ、最優秀救援投手賞のタイトルを獲得。09年オフにメジャー挑戦を表明し、メッツと契約。12年はブルージェイズ、ヤンキースでプレーし、13年にソフトバンクと契約し日本球界復帰。18年オフに戦力外となるも、ヤクルトと契約。19年は45試合に登板したが、20年10月に現役引退を表明。現在は解説者として活躍している。 長谷川晶一(はせがわ・しょういち)/1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務を経て2003年にノンフィクションライターとなり、主に野球を中心に活動を続ける。05年よりプロ野球12球団すべてのファンクラブに入会し続ける、世界でただひとりの「12球団ファンクラブ評論家(R)」。主な著書に、『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間 完全版』(双葉文庫)、『基本は、真っ直ぐ──石川雅規42歳の肖像』(ベースボール・マガジン社)、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『中野ブロードウェイ物語』(亜紀書房)、『名将前夜 生涯一監督・野村克也の原点』(KADOKAWA)ほか多数。近刊は『大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録』(KADOKAWA)。日本文藝家協会会員。
長谷川晶一●構成 text by Hasegawa Shoichi