漢字が書けない・音読がかなり遅い…30代で指摘された〝障害〟「子どもの頃に知りたかった」
大人になってから発達障害が分かった漫画家のゆめのさん(@yumenonohibi)。学習障害(LD)のひとつである「書字障害」についても指摘されたことから、漫画で発信してきました。しかし、改めて専門機関で検査をしてみたところ、自分では気づいていなかった別の〝困難〟が分かったといいます。 【体験マンガ】字が書けない「書字障害」だけではなかった…検査して分かった〝障害〟 毎年10月は、学習障害のひとつ「ディスレクシア(読み書き障害)」について理解を広めるための啓発月間です。
改めて検査を受けることに
もともとコミュニケーションが苦手だったゆめのさんは、30代になって専門病院を受診したところ、「注意欠如多動性障害(ADHD)」と「自閉スペクトラム症(ASD)」の診断を受けました。 以前から極端に漢字やひらがなが書けないことに悩んでいましたが、LDのひとつである「書字障害」とも診断されたそうです。書字障害は、文字や文章を書くことに困難を伴います。 そんななか、知人から読み書きや言語発達全般についてサポートするNPO法人LD・Dyslexiaセンター(千葉県市川市)を紹介されました。 センターでは現在、新規の受け付けはしていませんが、センターの理事長で発達性ディスレクシア研究会の理事長も務める宇野彰・筑波大学元教授の研究に協力する形で、検査を受けられることになったそうです。 <学習障害とは 学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。 ――文部科学省のサイトより>
無自覚だった「読み」の困難
知能や読み書き、認知機能の検査をした結果、宇野さんに指摘されたのは「発達性ディスレクシア(発達性読み書き障害)」でした。 「書くこと」が苦手なだけではなく「字を音読する速度が非常に遅い」とも指摘されたといいます。 <ディスレクシアの初期症状 ▼読字障害 ・文字を一つ一つ拾って読む(逐次読み) ・語あるいは文節の途中で区切ってしまう ・読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む ・一度、音読して内容理解ができると二回目の読みは比較的スムーズになる など ▼書字障害 ・「わ」と「は」、「お」と「を」のように耳で聞くと同じ音(オン)の表記に誤りが多い ・「め」と「ぬ」、「わ」と「ね」、「雷」と「雪」のように形態的に似ている文字の誤りが多い ・画数の多い漢字に誤りが多い など ――国立成育医療研究センターのサイトより一部抜粋> まったく自覚がなかったゆめのさん。ただ、思い返してみると「本を読むときって、飛ばし読みしていてちゃんと読んでいないかも」と気づきました。 「どうも私は文字をざっと見て要所だけを読み、推測で全体を理解する読み方を身に着けていて、自分の読みの遅さに気づいていませんでした」 試しに一文字ずつ音読してみましたが、「時間がかかるし、変なところでつっかえる。読むのに苦労して内容が頭に入ってこなかった」そうです。